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『システムズ工学用語辞典』この辞書をパラパラと読むと使える方法論と出会うこともある(システム工学)

 本書の著者は、日本電気株式会社 C&Cシステム本部、システム開発部長、交通システム部長、C&Cパブリック・システム推進本部長の大川雅司氏。当時の日本電気の社長である関本忠弘氏が、本書の推薦の辞に「当社が提唱しているC&Cの発想下で、私が育成したシステムズ工学の専門家の一人である。」としている。

 C&Cとはコンピュータ技術とコミュニケーション技術の融合という日本電気のスローガンだが、1956年に日本電気のテレメトリ送受信装置を東京大学生産技術研究所に納入し、カッパーロケット打ち上げに成功したことからはじまるので、日本の宇宙開発とのつながりは古い。したがって、日本のロケットで活躍したシステム工学は必然的に日本電気に浸透し、なぜか「システム」を複数形にし「ズ」を付けた「システムズ工学用語辞典」となった。

 本書にはシステム工学に関するほとんどの方法論や技法が含まれているとされているが、このような技法という手段を追求することは、目的を見失い、知識が権威と化する恐れがある。しかし、解決できない問題に直面したとき、この辞書をパラパラと読むと使える方法論と出会うこともあるだろう。使い方次第では有益な1冊だ。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。