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『後悔を活かす心理学 成長と成功を導く意思決定と対処法』後悔マネジメント(失敗研究)

 「やらずに悔い改めるよりも、やって悔い改めるほうがよい」というのはマキャベリの言葉。マキャベリを崇拝する菅義偉氏はこの言葉通り総理をつとめた。では、菅氏はそれを後悔しているのだろうか、それとも悔いはないのだろうか。後悔しないためにはどうしたらよいのだろうか。後悔したらどうしたらよいのだろうか。この本は、後悔を心理学的に分析し、「後悔マネジメント」を提唱するものとなっている。

 後悔は以下の2つに分けることができる。

1)過去展望の後悔(実際に経験した結果に対するネガティブな感情)
2)未来展望の後悔(予期後悔、未来の想像上の結果に対するネガティブな感情)

 また、後悔は「結果に対する後悔」と「プロセスに対する後悔」の2つにも分けることができる。
 後悔しないためには「熟慮」が必要だが、リスクマネジメントをするときには、「最悪を考える」ことが必要不可欠になる。
 後悔しないためにも「正しい判断」が必用になるが、それができない理由を以下としている。

1)認知バイアス(見た目やなんとなくの感覚で物事を評価したり、感情で判断してしまう)
2)思い込み
3)多数性ヒューリスティック(急いで判断をしなければならないとき、見た目の多さや少なさの影響を受ける)
4)情報接触量(マスコミやSNSの情報接触量で判断してしまう)
5)フレーミング効果(「95%確率で成功する」「5%確率で失敗する」と言われると前者を選択する)
6)確証バイアス(知らず知らずのうちに自分にとって良い情報だけを選び、異なる意見を排除する)
7)サンクコスト(すでに支払ってしまっているので、それを捨てれない)
8)心理的会計(無意識に心のなかでこの状況、この用途にはこの金額がふさわしいだろうという判断基準で購買行動する)

 これらを解決するには、2つの次元に分けて考える癖をつけるのがよいとしている。
 また、後悔しないための10の方法も紹介されている。

―― 意思決定するとき ――
1)自分の性格・思考の携行性、および現状を把握する
2)多種多様な情報・知識を収集する
3)選択肢は多すぎないようにする
4)熟慮して決める
5)予期後悔、反射仮想的思考をする(もしこの選択をして、悪い結果が出たら、どのくらい後悔するだろうと考える)
―― 後悔したとき ――
6)行動する/やりきるという選択をする
7)現状を受け入れる
8)下向きの反実仮想的思考
9)反省、合理化する
10)教訓化する

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。