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『Running Lean 実践リーンスタートアップ』バスケットボールのピボットは片足が地に着いている(リーンスタートアップ)

 この本は、Webベースの製品を構築する起業家がターゲットと設定されている。そして、Running LEANとは、リソースを使い切る前にプランAからうまくいくプランへと反復的に移行する体系的プロセスを指す。

 スタートアップには以下の3つのフェーズがある。

1)課題/解決フィット
2)製品/市場フィット
3)拡大/ビジネスモデルの拡大

 実用最小限の製品(MVP)は 1)に属する。 2)は、顧客の登録してもらい、定着させて、お金を払ってもらう。1)では、学習とピボットの専念する必要がある。資金調達は、2)の最終フェーズが最適だとしている。

 リスクと不確実性の違いは以下になる。

不確実:確実性のないこと。複数の結果が生じること。
リスク:損失や失敗など好ましくない結果になり得る不確実な状態

 ビジネスモデルのリスクを定量化するには、成果の見込みとそれが間違ったときに生じる損失を数値化する。数値化すれば、ビジネスモデルのリスクに優先順位をつけて、どこから手をつけるかを決定する。

 製品開発は学習の邪魔。リリース後でないと、学習できないという。要するに、MVPから継続的デプロイすべしとある。

 本書に書いてある要件は以上だが、果たしてこれが分かっていたとして、スタートアップは成功するだろうか。

 そもそもスタートアップは多死多産だ。たくさん生まれて一部が成功する。その確率を高めるために本書があるとしたら、撤退ピボットという選択についての解説が欲しいところだ。

 一度はじめたことを「やめる」ことは難しい。家族を含め、周りの人も巻き込んでいる。自分のお金もつぎ込んだ。無担保だが、創業資金も借り入れした。となると、簡単に撤退できないので、撤退以外の代替案でピボットを繰り返す。それで蟻地獄にハマって行くのだ。

 これを避ける方法は一つしかない。片足を最低限の生活のための収入にしつつ、もうひとつの足でスタートアップのピボットを繰り返すことだ。もともとピボットとは、バスケットボールのプレイ技術で、片足を回転軸にしているのだから…

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。