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『満足の文化』ガルブレイスの予測を超えた動き(環境研究)

 移民問題(特定技能人材)を考えるため、久しぶりにガルブレイスの著作を読んでみた。

 アメリカ、日本の富裕層の「満足の文化」を満たすためには、「機能上不可欠な下層階級」が必要である。そしてこれが、「満足の文化」の転換につながる大きな問題は以下の4つ。

①「機能上不可欠な下層階級」に象徴されるような、不利な状況に置かれた人々が、「選挙多数派」を取り込み政治的な力を形成する。(AOC?)
②アメリカ経済がさらに停滞して、破局を迎える。(リーマンショックのようなもの?)
③国際紛争に関連した軍事行動が、手痛い失敗を経験する。(アフガニスタン、イラク?)
④都市の暴動にみられるように、」「機能上不可欠な下層階級」の怒りが爆発する。(BLM運動?)

 原著が出版されたのは1992年、ガルブレイス84才のときで、括弧内はその後に起きた事象。これらの4つが起きたのだから、ガルブレイスの予測が当たるとなると、「満足の文化」の転換期が訪れるはずだ。
 しかし、前の世界大恐慌と同じようにコロナ禍で富裕層の「満足の文化」はさらに高まり、「機能上不可欠な下層階級」はますます苦しくなり、経済格差は固定化している。
 したがって、アメリカの民主主義そのものを問う動きになっているのが現在というところだろうか。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。