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『システム工学』システム工学は、工学すなわち科学的基礎の上に立って人類に役に立つ物を製造する学問の一分野(システム工学)

 おそらく大学の教科書として書かれたものではないかと思うが、著者は第13代日本ロケット協会代表幹事、初代会長だった近藤次郎氏。(日本ロケット協会の初代代表幹事は糸川英夫氏)近藤次郎氏によるとシステム工学の発祥は、「エンジニアが設計にあたって固有技術のみにとらわれず、システムとしての考察を本格的に取り入れたのは電話の自動交換機の開発でデンマーク、コペンハーゲンの電話会社のA.E.Erlangとベル電話会社のE.C.Molinaだとしている。

 1950年代頃までは、飛行機の設計にシステムの考え方が取り入れられてはいなかった。改良された発動機ができたので、それを装着した戦闘機を製作しようという発想で、飛行機を1つの防空システムの一環として見るようになったのは1960年代。さらにアメリカでは航空機をミサイルも含めた武器体系の一環として理解し、MacNamara(マクナマラ国防長官 )は国防体系の思想に発展させた。そして、その内容も単に機械系だけでなく人間の組織をも含むようにシステム工学は拡大してきた。」としている。

 さらに、システム工学の必要性については、「固有技術のみでなく科学技術一般について広い知識をもち社会経済の問題にも理解と見識があり、巨大な体系を失敗なく、短い期間内に限られた予算の範囲(または環境条件の下で)最適に完成するための技術や方法を身につけた人が望まれる。」と語り、最後に「システム工学は、工学すなわち科学的基礎の上に立って人類に役に立つ物を製造する学問の一分野と見ることができる。元来工学は、人類の幸福を目指すものであるが必ずしも現実においてはそうでないことが公害などで明らかにされた。システムの価値や評価に対して正しい認識がなければよいシステムを作ることは不可能である。」と、しめくくっている。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。