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『「変化を嫌う人」を動かす: 魅力的な提案が受け入れられない4つの理由』抵抗を和らげる方法が重要(人間学)

 一つの会社、一つの業界だけに長く依存していると、誰もが変化を嫌う人になる。しかし、その会社や業界に創造的破壊を行うジェフ・ベソスのようなアントレプレナーが出現したらどうなるだろう。彼はポジショニングを書店業界の中に置かず、読者のインサイドに寄り添うことで、創造的破壊を加速させた。

 本書はイノベーションを起こす側、創造的破壊を行う側のために用意されたものだ。大前提として、イノベーションには利便性や合理性が必要だ。従来の費用の半分になるというようなイノベーションの魅力は、抵抗を突き抜ける燃料になる。そのため、燃料を追加することで、イノベーションを加速させようと考えてしまう人が多い。しかし本書は、抵抗そのものを減らす具体的な方法を知ることの重要性を説く。

 イノベーションには4つの抵抗がつきものだ。

1)惰性:過去のイナーシャに固執する
2)労力:そのイノベーションを実行に移す労力
3)感情:感情の抵抗
4)心理的反発:変化させられたくない反発心

 抵抗を減らす方法のすべてに例があるため、例そのものも参考になる。例えば、アリ・リダの例だ。普通の自動車販売営業が月に10台が平均のところ、彼は一人で年に1,582台出庫させる。全国平均では、一つのディーラーが年に1,000台の販売台数だというので、彼の記録は一つのディーラーを遥かに超える。

 彼の販売手段は、ユーザーにとって何がベストかをアドバイスをするだけだ。プロダクトアウトとしての車の特徴を一切説明しない。ライバル社が適しているならばそれをススメ、金利が下がるまで待つようにアドバイスしたり、そもそも車が必要ではないと、それとなくユーザーに伝える。彼によると、「販売」をはじめた瞬間にユーザーを失うという。つまり、販売しようとするからユーザーから抵抗を受けるということだ。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。