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『システム工学(第2版)』製造物責任法(PL法)の判例を列挙し終わっているところが、著者たちの教育者としての責任感を感じる(システム工学)

 著者の大半が大学の先生で、大学工学部および高専におけるシステム工学の教科書。

 「システム工学は、社会の要求を認識するシステム研究に始まり、計画、開発、設計、製造、運用(供用)、廃棄、リサイクルまでのシステム(製品)ライフサイクルの各段階の作業を最適に実現し、望ましいシステムを合理的に創出する創造的技術である。」とし、ボーイング747を各サブシステムに具体的に機能展開している。そして、単に従来の固有技術の高度化だけでは十分といえず、多数の広い分野の専門家の協力と、合理的な計画・設計・製造・運用の技術が必要となるして、「システム工学とは、システムの目的をもっともよく達成するために、対象となるシステムの構成要素、組織構造、情報の流れ、制御機構などを分析し、設計する技術」と定義している。国産輸送機YS-11の開発スケジュールの実例なども掲載され、モックアップから量産機改修までのプロセス、あるいはシステム工学としての思考プロセスとして「問題設定」「目標選択」「システム合成」「システム解析」「実行計画」などのプロセスも紹介し、システム工学のポイントである「目標の選択」や「いくつかの代替案の中から最適なシステムを選択すること」など基本がしっかりまとめてある。

 最後に、1995年7月に制定された製造物責任法(PL法)の判例を列挙し終わっているところが、著者たちの教育者としての責任感を感じる。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。