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DDT10.12後楽園大会雑感



久しぶりのDDT後楽園ホール。
あいかわらずソーシャルディスタンス対応の半分程度の客入れで、8割くらいの入り。
だいぶ戻ってきてる感じがある。

最近DDTはまたダークマッチをいろいろやるようになったので早くから行きました。


○第一ダークマッチ 10分一本勝負
高梨将弘&アントーニオ本多&バリヤンアッキ vs 伊橋剛太&納谷幸男&高鹿佑也

伊橋をめっちゃ久しぶりに見た。あんま変わってなかった。飯伏&ケニー&伊橋組とか当たり前に見てたのが今思うと夢みたいだ。

先々月くらいに長期欠場から復帰した高梨も生で見るのは久しぶり。こちらも見た目変わってない。チョコレートプロレスの現場監督?に就任されたとかで今後DDT出場は減るらしい。
居場所はみんな変わっていく。

「ナマステ!」と叫びながら飛ぶバリヤンアッキの軽快さとヤケにスリムになった納谷の違和感が印象に残る。



○第二ダークマッチ 10分一本勝負
ヨシヒコ vs 平田一喜

本日のお目当てその1。
ヨシヒコのシングルマッチは去年無観客時代に竹下と一回あったけど、それ以外だとすごい久しぶりなのでは。いつだったか石井慧介とやってたときあったね。

今日のヨシヒコはシェイプされて身体が仕上がっていた。コンディションよさそう。

ヨシヒコがいつのまにか脇固め、フジワラアームバーを習得していたのに驚愕する。
気が付けばDDTではベテランの枠に差し掛かってきたヨシヒコだが、キャリアが長くなっても今まで使っていた技がまるでリセットされたかのように毎回新しい技を習得している探求心が素晴らしい。
今日は平田に苦戦を強いられ、顔面を踏みつぶされた際には顔が菱形に変形するほどのダメージを負いながら起死回生のジャーマンスープレックス6連発で平田に深刻なダメージを与え、最後は輪廻転生(ウルトラ・ウラカンラナみたいな技)からのエグイ角度の脇固めでギブアップ勝ち。
そして試合後には平田とクリーンな握手。
なんてスポーツマンシップにあふれた選手だろう。

先月の後楽園のタッグマッチに続き、ヨシヒコと名勝負を繰り広げた平田。
なにかここから大きなステップがあることを期待。


○第三ダークマッチ 10分一本勝負
赤井沙希 vs 川畑梨瑚

初見の川畑さん、このあと登場の堀田祐美子のT-HEARTS所属の選手。22歳だそう。
ざっと検索したけどキャリアがよくわからない。本人ツイッターでバトミントンとダンスが得意らしい、というのはわかってもどこの団体でいつデビューしたとかそういうのがわからない。
情報があるようで限られてる現代社会。

試合見るとまだ若いなーという感じで(IWAジャパンの前座を思い出した)、赤井さんがいろいろ自由にやらせる感じだった。
いつの間にか赤井さんは「やらせる方」の選手になっている。
ちょっと育ちが悪いというか、自分の技は受けてもらってるのに人の技は受けようとしなかったり、キャッチボールをしようという意思が薄い。
「いっちゃえ」で行ってしまうというか、これが全女イズムなんだろうか。
そういう団体ならいいけど、他所のところに出てるわけだしねえ。
「お互いこれからも頑張りましょう」みたいな試合後のマイクも含め、赤井さんがいろいろ大人な対応だった。おつかれさまです。


○オープニングマッチ 石田有輝デビュー戦 30分一本勝負
樋口和貞 vs 石田有輝

デビュー戦を見るとキャリアの第一歩に立ち会うんだなあ…といまだに思ってしまう。
そういえば私、遠藤哲哉のデビュー戦見てるんですよ。相手覚えてなくて検索したら彰人と現・トランザムヒロシでした。

石田有輝、背は高くないが体格ががっしりしてる。
日大相撲部出身だそう。大相撲じゃなくプロレスに来たのね。22歳。
突っ張りとか一生懸命出していた。これからがんばれ。



○第二試合 KO-D8人タッグ選手権試合 60分一本勝負
<王者組>谷津嘉章&彰人&大和ヒロシ&中村圭吾 vs 秋山準&岡田佑介&渡瀬瑞基&岡谷英樹<挑戦者組>
※第5代王者組は初防衛戦。

秋山準と谷津嘉章のマッチアップを見てると、SWSがなかったら90年代の全日本で戦ってたのかな…とか考えたり。
谷津さん今日も義足でスープレックスしたり監獄固めやってました。
谷津の義足の話はこれがいい記事なので未読の方はぜひ。





○第三試合 DDT EXTREME選手権試合 60分一本勝負
<王者>青木真也 vs 堀田祐美子<挑戦者>
※第52代王者3度目の防衛戦。
※通常のプロレスルールで行われます。


「青木真也 vs 堀田祐美子」ですよ?すごい世の中になりました。
異次元にもほどがある。

別にRIZINルールで戦うとかでもなく、純然なプロレスルール。
しかし序盤から堀田がイスやチェーンを持ち込み、「プロレスルールだ!」と取り上げようとする松井レフェリーと「これがプロレスルールだろ!?」と言う堀田の間に悶着があり、結局レフェリー暴行で堀田の反則負け。
その間場外で堀田に一方的にやられていた青木が流血。
場内すっきりしない空気に。
反則負けに納得しない堀田が再戦をアピールし、今林GMが青木に「やれますか?」と確認をし(この状況で「やれません」と言えるプロレスラーはスーパー・ササダンゴ・マシンとDJニラしかいない)、反則有りのルールで再試合。
すると青木が関節取って秒殺。
なんでしょうこの不穏なのか計算通りなのかよくわからない試合は。

青木の試合後のマイク

「おいクソババア!ちょっとかわいいからって調子乗って色気づいてるんじゃねえぞ!いつでもこのリングで首投げしてやるぞ!」

なんか揺らしてくるなあ…。
ちなみに『首投げ』は業界の隠語です。意味は各自調査。だいたいわかるやろ!



○第四試合 ハンディキャップマッチ 30分一本勝負
男色“ダンディ”ディーノ&飯野“セクシー”雄貴&今成“ファンタスティック”夢人 vs 大鷲透&高尾蒼馬with高木三四郎

今日のお目当てその2。
男色“ダンディ”ディーノ&飯野“セクシー”雄貴&今成“ファンタスティック”夢人による新ユニット「フェロモンズ」。
いろいろ最低です。
飯野の開いてはいけないフタを男色さんが開けてしまった感がある。



そして村西とおるの応酬話法を完全に体得した今成“ファンタスティック”夢人がだいぶイカれている。日本で今一番山田孝之に近づいてる人だと思う。



今日はコーナーに展開された「二つの宇宙」をカメラを持った今成が全世界に中継しようとして今林GMが「おいやめろ!生中継してるんだぞ!やめろ!(怒」という本気っぽいストップで無効試合になるという、すごい終わり方をしていました。



いろいろな意味で長くはやれずに伝説になりそうな予感があるので、ぜひ今のうちにフェロモンズ見に行ってください。



○第五試合 Road to D王GPスペシャル6人タッグマッチ 30分一本勝負
遠藤哲哉&樋口和貞&クリス・ブルックス vs 火野裕士&上野勇希&MAO

来月から始まるシングル総当たりリーグ戦D王GP出場者によるミックス6人タッグ。
ダムネーションはなくなったんだな…と改めて実感する哲っちゃんと火野の距離。

樋口が気合入ってました。樋口そろそろ優勝できるか。



○セミファイナル DDT UNIVERSAL選手権試合 60分一本勝負
<王者>佐々木大輔 vs 木髙イサミ<挑戦者>
※第5代王者は初防衛戦。

もともと佐々木大輔 vs 藤田ミノルというタイトルマッチの予定が藤田がケガで欠場、代打出場はなんと木髙イサミ。
3WAYでは対戦経験あるようですが、シングルは初対戦?

佐々木はダムネーション解散以降「どうも、ベビーフェイスの佐々木大輔です」みたいな言い方をして応対もさわやかスポーツマン的受け答えをずっとしているが、テレビ解説の小佐野さんの「まあベビーフェイスの人は自分のことを『ベビーフェイスです』って言わないですよね」がすべてを語っている。

試合はテクニシャン同士の「どちらが主導権を取るか」攻防で、そこは五分五分だったように見えた。
イサミさんは若干ファイトスタイルが変わってきていて、パワーだったり重さを使うようになってきた。
飯伏さんの変化と似てると思う。

好勝負だったが最後は切り返して佐々木勝利。

試合後には「みなさんのおかげで勝てました!」的な殊勝なことを言ってたが突然
「やめた、やめた! こういうの無理だ! ベビーフェイスってなんだ! 頭がおかしい奴がやることだろ。俺には無理だ」
と何かを断念していつもの佐々木に。
ダムネーションT.A(DAMNATION TOTAL ADDICTION)という新しい軍団を作ることを宣言し、遠藤と高尾を呼び込むが先にリングに入った高尾にいきなりトラースキック。
「おまえらがいるとポップすぎるんだよ!」
怒った高尾を後から出てきた巨大な大男が襲う。マッド・ポーリー…ではなく「MJポー」。顔面が凶悪になった気がする。
しばらくは佐々木はポーと二人でやってく模様。

佐々木はダムネーションT.Aをシリアスなヒール軍団にするつもりなんだろうか。
しばらく注目。



○メインイベント KO-Dタッグ選手権試合 60分一本勝負
<王者組>竹下幸之介&勝俣瞬馬 vs HARASHIMA&吉村直巳<挑戦者組>
※第70代王者組3度目の防衛戦。


いっときは「セミファイナルのためのタイトル」みたいだったKO-Dタッグがここ最近また盛り上がってきた。
やっぱりシングルチャンピオンがタッグにも出ると上手く回る気がするのよね。

この試合が想像以上に素晴らしかった。

まず竹下&勝俣がめちゃめちゃ完成度の高いタッグになっていた。コンビネーションが素晴らしい。君たちいつからこんなタッグがうまくなっていたんだ!

全般的にHARASHIMA&吉村が押される。
が、押されてた吉村がカムバックして暴れることで盛り上がる。
HARASHIMA&吉村は昔の全日本でいう「ジャンボ鶴田&田上明」みたいなタッグで、エースのジャンボが若い田上を一生懸命引き上げてたように、この日はHARASHIMAが吉村を一生懸命引き上げていた。


こういう「一段落ちると思われる若手選手が抜粋されて奮起する」タッグマッチは全日本のお家芸で、かつては小橋が引き上げられたり、若手時代の秋山準が引き上げられたり、最近だと宮原健斗が若手時代のジェイク・リーや野村直也を引き上げてこういう試合をよくやっていた。

今回の試合はまさにそういう「全日本の完成度の高いタッグマッチ」 だった。
これも秋山準が教えてるんだろうか。


最後は追い込まれた吉村が逆転勝ち。
同じDNA出身の上野やMAO、勝俣といったあたりに先行されている吉村は相当期するものがあったんではないか。3カウント入った後は飛び跳ねるように喜びを表していた。


今日はバラエティーに富んだラインナップで、ずっと面白かった。
そしてプロレスは後楽園で見るのが一番楽しい気がする。




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