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1.22横浜アリーナ『ABEMA presents GREAT MUTA FINAL BYE-BYE』雑感


武藤敬司引退試合に1ヶ月先駆けて行われたグレート・ムタファイナル大会に行ってきました。
会場は横浜アリーナ。
横浜アリーナでグレート・ムタというと天井からロープでぶら下がって入場してきたのを思い出します。あれはだいぶ怖かったそう。そりゃそうだ。
今日は普通に花道通って入場してました。

会場の横浜アリーナ、いやー同世代だね、という90年代の若者たち(@島田潤一郎)なおじさんばかり。俺もその一人ですけど。
nWoTシャツとかナチュラルボーンマスターTシャツとか、ずいぶん長くタンスにしまってましたね、みたいなTシャツ着た中年男性がたくさん来てて、ムタグッズを売ってる売店に超・長蛇の列ができてました。
あれに並ぶと第3試合くらいまで見られないんじゃないかなあ。

横浜アリーナ、一年ぶりに来たけどやっぱりドームよりは見やすいですね。
自宅から1時間半かかるのが難点だけど。

<第1試合・タッグマッチ/Welcome to bye bye>
小峠篤司 吉岡世起 VS 大原はじめ Hi69

昨日いい試合した大原が粛々と第一試合。
金剛ってつくづく職人集団。

<第2試合・タッグマッチ/Who is the valkyrie?>
安納サオリ ジャングル叫女 VS 夏すみれ 雪妃真矢

大人の事情で挟み込まれた感のある女子試合。なんでしょうね。
高校生の頃、愛知から埼玉に椎名林檎のライブを見にきてそのまま家出、流れ流れて六本木のキャバクラで働きだす…という何それ!?という経歴を書いた夏すみれさんのnoteはプロレス関係なく素晴らしく面白いのでみんな読んでほしい。プロレスやってる人にはみんないろんなバックボーンがある。

<第3試合・シングルマッチ/BEST OF IRON MAN>
ティモシー・サッチャー VS 望月成晃

声援可になって入場曲「傷だらけの栄光」に乗せた「モ~ッチ~!」コールも解禁。泣ける。そしてやっぱりダサい。けどそれがいい。

望月の入場曲「傷だらけの栄光」は『あしたのジョー2』の主題歌で(『あしたのジョー2』って今にして思うとかなり鬱展開が強い物語だったですね)、それが版権の関係で途中からオリジナルでなくて望月本人が歌ってるバージョンが使われてるんだけど、モッチーが中途半端に歌が上手いのであんまり気づかれていない。
今日一緒に行ったSさんにも「これモッチー本人が歌ってるんですよ」と言ったら驚かれた。プロレスラーたるもの藤波辰爾レベルの歌唱力が求められるべきだと思う。

試合は大半モッチーが攻勢になりながらサッチャーのフジワラアームバー一発で逆転負け。
ま、本来関節技ってこういうものですよね。
サッチャーには「遅れて来た藤原組」とか適当なニックネームつけたい。

<第4試合・6人タッグマッチ/This is Anarchy Time>
小川良成 Eita NOSAWA論外 VS 宮脇純太 アレハンドロ 矢野安崇

Eitaが唐突にアレハンドロのマスク脱がして反則負け、その後論外が宮脇のハサミで髪を切る。
普通だったら「おいふざけやがって!次の試合でマスカラ・コントラ・カベジュラ(負けた選手がマスクか髪の毛を失う試合)だ!」というプロモーションにつながってくと思うんだけど、なんにも告知なかった。
もしかして本当にただマスク剥がしただけなんだろうか。

<第5試合・6人タッグマッチ/WRESTLING BATTLE CRY>
ジェイク・リー ジャック・モリス アンソニー・グリーン VS マサ北宮 稲葉大樹 稲村愛輝

元旦武道館に登場した元三冠王者ジェイク・リー、NOAHでチームを組む仲間に外国人のモリスとグリーンを指名したのはよかったと思うけど、チーム名が「グッド・ルッキング・ガイズ(=略してGLG)」というのはどうなのよ。叶姉妹かよ。
現在NOAHで絶賛伸び悩み中の3人を相手に完勝。

てか稲村はこれでいいのか。稲村こそここに入ったり(グッドルッキングかは知らん)、金剛入ったり、なんかした方がいいと思うのだが。
NOAHって早く清宮のライバルを作らないといけないはずなのに、なぜかそこは放置気味なんだよな。
ジェイクだっていずれどっか行っちゃうだろうし。
いや、稲村だけでなくて稲葉や北宮もそうなんだけど。

<第6試合・シングルマッチ/GHC Martial Arts Rules>
桜庭和志 VS 鈴木秀樹

10月の桜庭船木戦に引き続き、突如組まれる謎のGHCマーシャルアーツ戦。
今日は桜庭鈴木秀樹戦。レフェリーは前回に引き続いて島田裕二(元PRIDEメインレフェリー、現・千葉県市川市コンパス幼保園園長)。
保育園日曜日お休みですからね。いろいろ業が深い。

前回は3分で終わりましたが、今日は柔道の乱取りみたいな、お互い技かけてるけどこれ極める気ある?みたいな寸止め式UWFみたいな攻防を10分程やってから唐突に桜庭が三角締めで勝ち。
どうもこのGHCマーシャルアーツ戦は難しくて楽しみ方がよくわからない。
せっかくコンパス幼保園長先生が裁いてくれるなら、次回の桜庭の相手はWebマガジンDropkickでのバトラーツ内輪話が一部の好事家に大好評の臼田勝美さんを呼ぶといいと思います。
それかGLEATエグゼクティブディレクターの田村潔司さんか。
今のNOAHだったら本当に桜庭vs田村戦をやりかねない。
『PROWRESTLING NOAH』の電飾看板の前に「フレーム・オブ・マインド」で出てくる田村潔司…見たい!

<第7試合・6人タッグマッチ/To rise sky high>
AMAKUSA ウルティモ・ドラゴン ニンジャ・マック VS YO-HEY Kzy ダンテ・レオン

小川良成、桜庭和志に続いてウルティモ・ドラゴンが出てくるプロレスリングNOAH。最高ですね。
てかドラゴン見るのいつ以来だろう。
久しぶりに「セパラドス」聴いてジーンとしてしまった。セコンドには懐かしのサニー・オノオ。甦る1990年代WCW、マンデーナイトロ!

この試合のハイライトはルチャリブレ6人タッグにありがちなエストレージャ(4人がリングを囲む中央に残った2人がウラカンラナを決める)のくだりでドラゴンがウラカンラナを失敗したことで。
あれはショックだったなあ。
何か見てはいけないものを見てしまったような。
ドラゴンもショックだったと思うけど。

AMAKUSAがだんだんジュニアのセンターぽいポジションにいても違和感なくなってきた。地位が人を作るなあ。
さときゅんがこんなになるとは思わなかった。同じ日、同じ団体デビューの佐々木大輔のAMAKUSAへのコメントを聞きたい。

そんなAMAKUSA、2.21武藤敬司引退興業でついに高橋ヒロムとのシングルマッチが決定。
さあさときゅん、人生の大一番だ。
君の後ろにはみちのくプロレスのファンがついてるぞ!

<第8試合・8人タッグマッチ/Champion’s Night>
清宮海斗 イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr. 杉浦貴 小島聡 VS 拳王 中嶋勝彦 船木誠勝 征矢学

いかにもビッグマッチのセミファイナルぽい多人数試合。
そいや昨日の新日本との対抗戦に船木さん出ませんでしたね。
次は見たいなー、船木誠勝vsオカダ・カズチカ、船木誠勝vs内藤哲也。
わくわくするわ。

ついにオカダとのシングルが決まった清宮が躍動していた。
清宮が笑顔で引き上げてくところなんて初めて見た。
武藤引退試合より楽しみなところがある。

<第9試合 メインイベント・6人タッグマッチ/End of Nightmare>
グレート・ムタ スティング ダービー・アリン VS 白使 AKIRA 丸藤正道

グレート・ムタ引退にあたって印象に残ってる試合を書き出してくとまず実質的なデビュー戦の1991年馳戦、スティング戦、93年の猪木戦、96年の新崎#“白使”人生戦…みたいな感じで新日本前半期時代の印象が強い。
そのあとは「なんかやってたなあ」みたいな感じなんだよね。
グレート・ニタとかボブ・サップとかハッスルでの曙とか。
あんまりこれといった印象がない。
そういや前も「これにてグレート・ムタ封印」みたいなのあったな、と思って調べたら2018年のDDT両国だった。

そりゃ男色ディーノの肛門に毒霧吹いたのを最後、とするのは難があるかもしれない。
しかしグレート・ムタ、佐々木大輔、遠藤哲哉vs男色ディーノ、大家健、石井慧介ってすごい組み合わせだな。

そんな今回のグレート・ムタ・ファイナルにマッチメイクされたのはムタと同世代のアメリカのレジェンドであるスティング、そして今のスティングの弟子筋にあたるネクストスター、ダービー・アリン。
こういう次につなげようというスティングの姿勢、いいと思うよ。

相手が長らく決まらなかったが発表になったのは白使、AKIRA、丸藤。
白使の他はちょうどいい人いなかったんだろうなあ。
立会人には“ムタの父”ザ・グレート・カブキの姿。だいぶ背中が曲がったけど、出てきてヌンチャクと毒霧やってくれるんだから素晴らしい。

スティングが日本で見られてよかったです。
一般的には「スティング」というとさみしげな歌を歌うイングリッシュマンインニューヨークなおじさんだと思うけど、われわれがスティングで連想するのは白メイクに黒バット、スコーピオンデスドロップのこの人です。
もう60歳というのに、カッコよかったなあ。

ダービー・アリンも噂通りの破天荒なレスラーでよかった。
あの後ろ向きに落ちてくコフィンドロップってすごいね。普通に怖いだろう。

白使が相手ということで、ムタは昔対戦した時と同じように白使の使い(昔は佐藤昭雄扮するシンジャだったが、今日は不気味な白装束のお付きの人がいた)が持ってた卒塔婆を奪い取り、白使の血でそこに「完」と書いて幕。
収まりはよかったですね。ただ昔やったのとまんま同じだからなあ。

スティングとダービー・アリンに誤魔化されたがそんなムタ目立たなかったなあ、と思ってたら試合中にムタが足を痛めてたそうで。
最後についてなかったね。
逆説的にみんなが納得する引退試合になった。
まあ、元旦の中邑真輔戦が実質的な引退試合ですよね。
34年、魔界からおつかれさまでした。

グレート・ムタが引退ということで、考えてみるとリアルな人間からかけ離れた「キャラクターレスラー」も少なくなってしまった。
TAJIRIも男色ディーノも最初キャラクターレスラーだったけど、だんだん人間的になってしまったし。
そういう人間からかけ離れたキャラクターレスラーって、今だと小仲ペールワンとEVILくらいしか思いつかない。

プロレスってそういう日常見ないキャラクターを見るのが面白いところあったけど、移り変わりですかね。
いろんなコストがかかる、ってのもあるだろうけど。
とにかく歴史の節目に立ち会えてよかったです。

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