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ずっと蓋をしていた弟とのこと。

最近、紙のノートに自分の気持ちを書く「モーニングノート」とやらを始めました。

朝起きてすぐに自分の思ってることを何でもいいから書くという朝日記みたいなもの。

noteでも日々いろんなことを書いていますが、自分の気持ちに偽りはないにしろやっぱり人に見られる用の文章になっているかもなと思い、もっとざっくばらんにどんどん書いてみようと思ったのです。



モーニングノートを書き始めてふいに出てきた「弟」のこと。

実は私、2つ下の弟がいるのですが、この弟がまー癖が強いと言いますか、世間知らずと言いますか、我が家の問題児でして。

若い頃は事故って新車を二台だめにしたり、ソシャゲーに課金しすぎて借金まみれになったり、栄養失調で入院したり、パニック障害になって電車やバスに乗れなくなってしまったり、上げればキリがないほどのお金関係や心身の不調をやらかしまっくており、どうしたもんかと頭を抱えていました。




高校生の頃、内気でコミュ障の弟が急に「美容師になる」と言い出し、専門学校へ。

そして20歳から今までずっと美容師をしているのですが、この美容師のことで私と揉めに揉めたことがありまして。

美容師の人ならば独立して自分のお店を持つというのは一つの夢の形だと思いますが、それは私の弟も同じ。

数年前、美容師の友達と独立すると言い出し、私と両親に二千万円の保証人になってほしいと言い出したのです。

うちの両親は弟にめちゃくちゃ甘いので説得されかけていたのですが、当たり前ですが私が許可するわけはなく、対立。

そしてその弟のお友達とも話したのですが、私がかなりきつく言ったのもあり、多分弟の友達は私のことを鬼ババだと思っていると思う。

「ここまでに契約しないと間に合わない」と急かされたのですが、私は決して首を縦に振りませんでした。



そんなこんなをしていた頃、なんと世の中はコロナに突入し様々な店が畳まなくてはいけなくなり、あの時に店を出さなくて本当によかったと思ってはいるのですが、心の中では弟の夢を強く否定してしまったことが残っており、伝えたかったことがしっかり伝えられてなかったのではないかとずっともやもやしていました。

井上家はお正月に家族全員で揃ってご飯を食べるのですが、なんとなくその話を弟とするのが気が重く当たり障りのないことばかりを話していました。

わざわざ話さなくてもいいかという気持ちになるし、せっかく集まってるのに嫌な気持ちにさせる必要もないかと言い訳を並べていたのです。

そして私はその時から弟の美容室に行かなくなってしまいました。




私のモーニングノートに書かれていたのは弟への謝罪の言葉と、ずっと同じ美容師という仕事を続けている尊敬の言葉と、ずっと元気でいてほしいという言葉でした。

書いてみて「ああ、確かに私は日々こう思っている」とノートを眺め、そう思っているのならばと、弟の美容室に数年ぶりに行ってきたのでございます。



弟はコロナ期間の途中で友人と別の美容室に移動していて、今はその友人が店長をやっていました。

数年ぶりに美容室で働いている弟はとても立派に見えて、あの頃よりも頼もしく見える。

ふと「あの友達とは今でも仲良くしているの?」と聞いてみると、ずっと腐れ縁で仲が良いとのこと。

「井上にはたくさん助けてもらってるから頭が上がらないと言われるけど、俺からしたらあいつがいなかったら今の俺はいないから」と言っていました。



弟は昔から本当に内気で口下手で小学校の時もぽつんとひとりぽっちだったし、友達と呼べる友達も見たことがありません。

いつも休み時間になるとベランダで一人、外を眺めている弟を見かけては、胸がきゅうとなっていた。

でも弟は弟の人生をちゃんと歩んでいて、他人と信頼関係を築いていたし、仕事もしっかりとやっていました。

家族だけは弟がどれだけ優しいかを知っているから味方でいようと思っているけれど、こうやって弟の良さを知ってくれている人がいるのは嬉しい。

いろいろ大変なこともあるだろうけど、幸せになってほしいと心から願っています。

そして自分が思っていることもちゃんと伝えていこうと思ったのでした。




そんなわけで。
結婚式前に髪をつやつやにしてもらい、可愛く仕上げてもらえました。

後ろから見たら28歳くらいに見えるかもしれない。(見えない)


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