見出し画像

助産学生が思うこと#006

当たり前なことができなくて 当たり前じゃん
 だってまだ親子になって3日なんだもん
 おっぱいを上げる方も吸う方も初心者なんだよ

『コウノドリ』第8巻、「マタニティブルー」で、助産師の小松さんが
出産後3日のお母さんに対して、言っている。

よく疑問に思うのは、
「当たり前」って何だろうということだ。
何ごとも、他人の経験が、そのままあてはまる,ということはない

「他人ができたのだから…自分もできるというのは
 間違っています。他人の経験が当てはまるとは限りません。
 他人と比べるものではないんです」

なぜ、世の人々は、世のお母さんに“(自分が思う)お母さん"を求めているんだろうか。
それは何も、医療者が絶対だ、ということを言っているのではなく
逆に医療者は、「一般」を厳密に知っている
(医療者として、「一般」のことを良く知っていないと、「異常」を発見できないため)
だから、お母さんに、その"(一般的に言われている)お母さん"を求めがちなのかもしれない。

自分が違うから、変だとか、「異常」だとか
自分が「普通」だから、あの人は変だとか、「異常」だとか

もう、そういうのはいらない、と思う。

例えば
「変だ」とか「異常だ」と言われたお母さんの中には、
未婚であるとか、パートナーがいないとか,経済状況が良くない、とか
そういう方がいるかもしれない。
そして、そういう方に対して、「パートナーがいないだなんて、どうかしている」「いつか虐待を起こすんじゃ…」と言う人もいるかもしれない。
そういう言葉や、態度が
彼女たちの"お母さん"としての、自信をそいでいくんじゃないか…と思う
お母さんに、無理を強いていくんじゃないか、と思う
そして、その"無理なこと"を"無理なこと"と捉えられず、
どんどん、無理をしていってしまうかもしれない。

言い過ぎなのかもしれない。
考え過ぎかもしれない。
でも、それだけ、お母さんたちは、
世の人が考える"お母さん"に悩まされているんじゃないかと思う。

「赤ちゃんのためにお母さんがいるんじゃない。
 お母さんがいるから、赤ちゃんがいるんだよ。
 ゆっくり気楽にやっていこうよ」と、助産師の小松さん

もうちょっと、気楽に"お母さん"になっていける社会になって
もうちょっと、ゆっくり"家族"になっていける社会になって
もうちょっと、お産に対して「頑張ったね」と思える人々が増えて
もうちょっと、お母さんが自信を持てていける社会になったら
と思う。
そして、私も、そういう社会を、一緒につくっていきたいと思う。

「当たり前なことができなくて 当たり前じゃん
 だってまだ親子になって3日なんだもん
 おっぱいを上げる方も吸う方も初心者なんだよ」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?