いのちゃん

助産師2年目 無類の『コウノドリ』ファン 東京都勤務

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マガジン

  • 助産学生が思うこと

    『コウノドリ』,講義から、思ったことをつつうらうら書いていきます

最近の記事

助産学生が思うこと#010

「理解しているか~優秀優秀~  じゃあお前ら 今から 内診台上がってみるか」 『コウノドリ』第17巻で、産科医の四宮先生が言っている。 男性女性,年齢,職業にかかわらず 「妊婦さんの気持ち、理解している」と言う方を見かける。 それは実体験によるもの,かもしれないし 本を読んだから、かもしれない。 先生から「理解はできないけど、共感はできる」と言われたことがある。 それは、例えば 「痛い」と言う人の"痛み"を理解する(実感する)ことはできないが 「痛い」という気持ちを、「

    • 助産学生が思うこと#009

      「新生児科医にとってアラーム音は日常の音かもしれない。  でも 両親にとって その音の数秒は  1分にも2分にも感じるんです」 『コウノドリ』第15巻、「胎便吸収症候群」で  新生児科医 今橋先生が言っている。 病院ではアラーム音が鳴っている。 ナースステーションは、ナースコールが日常的に鳴っている。 手術中も、そう。 アラーム音の中には、異常を知らせるサイン として機能しているものもある。 赤ちゃんが呼吸をしていなかったら、 「呼吸をしてない」とアラームが伝えてくれる

      • 助産学生が思うこと#008

        「帝王切開を受ける妊婦さんは 自分の病気やケガを治すためでもなく  赤ちゃんの命を守るためだけに 命をかけて  自分から手術台の上に上るんです。  僕らはそれをお産でないと言えません。  帝王切開は立派なお産です。  自然分娩で赤ちゃんを産んでも、帝王切開で赤ちゃんを産んでも  同じなんです。  赤ちゃんが無事に産まれて  赤ちゃんに会えたときのお母さんの表情は、皆同じなんです。  ちゃんと産む というのは そういうことです。」 『コウノドリ』第3巻「自然出産と帝王切開」で

        • 助産学生が思うこと#007

          「別に頑張る必要なんてないですよ  赤ちゃんの世話以外する必要ないですね」 『コウノドリ』第26巻、「里帰り出産」で四宮先生が言っている。 本当に、赤ちゃんの育児以外に、する必要はない(無理することはない) 産後の母親はヒマ、だから、家の掃除くらいして欲しい なんて思う人(あるいは、それに近いことを思う人)は ちょっと、よくよく想像して欲しい。 産後はどうなるか… 多くの人は、それとなく知っていると思う。 「ホルモンが、ドカンと低下する」 「体力の回復に時間がかかる」

        助産学生が思うこと#010

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        • 助産学生が思うこと
          10本

        記事

          助産学生が思うこと#006

          「当たり前なことができなくて 当たり前じゃん  だってまだ親子になって3日なんだもん  おっぱいを上げる方も吸う方も初心者なんだよ」 『コウノドリ』第8巻、「マタニティブルー」で、助産師の小松さんが 出産後3日のお母さんに対して、言っている。 よく疑問に思うのは、 「当たり前」って何だろうということだ。 何ごとも、他人の経験が、そのままあてはまる,ということはない 「他人ができたのだから…自分もできるというのは  間違っています。他人の経験が当てはまるとは限りません。

          助産学生が思うこと#006

          助産学生が思うこと#005

          「出産に優劣も勝ち負けもないんですよね…  お腹を痛めて産んだからこそとか…無痛分娩で楽だったとか…  アホらし  この子は私の子供で、母親は私だけなのに  生まれたてのこの子に教えてもらいました」 『コウノドリ』第10巻、「無痛分娩」で無痛分娩で赤ちゃんを産んだ女性が言っている。 (*このお母さんは、心臓に持病があったため、無痛分娩を選択することになった) 医学的に「…するべきだ」「…した方がいい」ということは、 個人の「…するべきだ」という考え(価値観)と、大きく異な

          助産学生が思うこと#005

          助産学生が思うこと#004

          「はっきり言ってね…  男にできることなんか何もないよ  せいぜい水でも買いに走って…背中をさするぐらいなんだから  はっきり言って ヒマなのよ男は  でも立ち会ってあげなさい  命がけで苦しんで子どもを産む奥さんの顔を見てさ  自分の無力さを噛みしめてきなさい。  家族のためにもっと頑張らなきゃって気持ちになるからさ…」 『コウノドリ』第9巻、「出産予定日」で、男性会社員の上司(男性)が言っている。 子どもを産むのは女性。 男性にできることはない。(ほとんど) 立ち会

          助産学生が思うこと#004

          助産学生が思うこと#003

          「子育ては楽しい…子育ては幸せだ…  母親には母性があるからちゃんと育児ができる…  そんな無茶を当たり前だって思っている奴が多すぎなんだよ」 『コウノドリ』第20巻で、助産師の小松さんが、言っている。 産後うつは、身近にある。 1割の女性が、産後うつになると言われている。 妊産婦の死因に自殺は多い。 もともと、20~40代の死因に自殺は多い。 でも、自殺した妊産婦は、妊娠中・産後1年未満を合わせた人数は、大量出血や病気で亡くなった妊産婦の2倍。 「彼女はしっかりして

          助産学生が思うこと#003

          助産学生が思うこと#002

          「キミたちやキミたちの愛する人が、妊娠したときに  今日僕が来たことが… 頭の片隅に残っていたら母子感染症を防げると思っています」 『コウノドリ』20巻、「母子感染症」で、こうの鳥先生が言っている。 母子感染症は多い。 なると、赤ちゃんが先天異常(生まれつきの異常・障害)となることがある。 感染者と接触したから、必ずお母さんが感染する,ということではなく お母さんが感染したから、必ず赤ちゃんが感染する,ということでもなく 赤ちゃんが感染したら、必ず発症する,とい

          助産学生が思うこと#002

          助産学生が思うこと#001

          「僕らは毎日、キセキのすぐそばにいる」 『コウノドリ』の主人公、こうの鳥サクラ先生の言葉で、「お産はキセキだ」 ということを言っている。 誰も、お母さん、赤ちゃんが、お産で死ぬなんて思ってない。 もちろん、日本の医療はレベルが高い。でも亡くなる方はいる。 「1年間で亡くなる妊婦さんの数は、1年間の交通事故で亡くなる人の数と一緒」 「もしかしたら亡くなるかもしれない,程に重症な妊婦さんの数は、 5年くらい前の開発途上国の、1年間で亡くなる妊婦さんの数と同じくらい。

          助産学生が思うこと#001