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君は『乱暴ごはん』を知っているか? 〜トマトで白米を煮詰めた物編〜

 知らないのも無理はない。井上が最近勝手に始めて名付けた取り組みだし、みんなは井上のことを知らないから。

 井上は「生きる」のがヘタクソだ。部屋が脱ぎっぱなしのズボンや、請求書の残骸で勝手に散らかっていき、よくわからなくなってしまった何かの部品や本の集積地と化したベッドを片付けるのが苦痛で、わざわざ寝袋を引っ張り出してきたりする。母曰く、幼稚園のお泊まり会では、みんなちゃんとお洋服を畳んでエライエライだったのに、井上だけグチャグチャに脱ぎ捨てパンツ丸出しで寝ていたらしい。あれから20年、井上はまだズボンを脱ぎ捨て、パンツ丸出しで寝ている。人は成長しない。

 そんな「無能の生活」を送っている井上が、週に1回自炊をするようになった。「真の人間らしい生活に、コンビニ弁当は必要ない!」という内なるスローガンを掲げて始めた自炊が現状続いているのには、一つ理由がある。それが『乱暴ごはん』というコンセプトだ。自分の料理は「乱暴」な物だ、という風に前置きを置いておけば、あまり自分に多くを求めない。「乱暴でもいいから、週に1回とりあえず作る」というユルい基準が「無能の生活」をコンセプチャルなものにしてくれる。あと台所が狭すぎて包丁が使えないので、ハサミでじゃがいもをチョキチョキ切ったり、計量は全て目分量というスタイルも『乱暴ごはん』たる所以だ。そこで、せっかくやっているのだし、こうやってアーカイブにしていくのもまた楽しいかな、と思って今回noteにまとめた次第である。

さて、先週作ったのは、「トマト缶で白米を煮詰めたもの」だ。

使った食材は
・トマト缶
・ベーコン
・ピーマン
・玉ねぎ
・にんにく

皮をむく

いくら何でも繊細さにかけるので、ハサミでチョキチョキ

「おらッ!これでも喰らえ!!!!」という感じでベーコンを添える。

これも繊細にする。めんどくさかったし、ブロックベーコンみたいで美味しくなるかもしれないと思ったので、剥がさずそのままにした。

人生の不安と一緒に胃に流し込むために買ったウイスキーがまだ余っていたので、とりあえず入れてみた。なんとなくオシャレだと思ったので...

炒めた後にトマト缶を入れて、ごはんをブチこむ

あとは撮った写真に、

美味しそうに見えるフィルターをかけて、出来上がり

食べてみたけど、ウイスキーの味はわからなかった。おいしかったです

終わり

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