中国語での外来語

こんにちは。「いのし」です。
タイトルにも書いた通り、中国語での外来語の扱いです。
中国での生活はトータルで1年ほどなので、中国語、中国歴史への知見は浅く、理解が足りていないところがあるかもしれまんせんが、ちょっと「は?」となったところがあったので物申したいです。
(アンチ要素は0ですので、安心してみてください。何か間違っているところがあったら気軽にコメントお願いします。)

中国語での外来語はどういうものなのか

ざっくりとですが以下のように分類されます。

1.発音を中国語式に置き換えたもの
これは日本語で言うカタカタ発音に近い印象を受けます。
音訳などともいわれています。漢字だけ見たら意味はないんです。
例:奥林匹克 日本語訳)オリンピック
中には当て字が新しく作られる場合があります
例:咖啡
2.意味が近いものに訳したもの
単語の意味を同じ意味を持つ漢字に置き換えた場合です。
先ほどは音が似ている漢字で作った当て字ですが、今回は「普通に訳した」場合です。

また複合語の場合、単語ごとに分解して訳して作る場合もあります。
例えば「Hotline」。意味は「ホットライン(電話対応窓口)」ですね。
hot, Lineと分解して各々を「hot→熱」「line→線」と訳す。
これで热线·=Hotline。
入門者が漢字だけ見ると「アチアチな線?」と訳してしまい、初見殺しを食らいます。
3.日本語もしくは漢字圏の国から逆輸入したもの
漢字発祥の国、中国。使えるものはドンドン逆輸入していきます。
例:警察 
実は日本から来た感じらしいです。ちなみに中国では「公安」のほうもよく見ます

中には日本語の文法順になっているものをそのまま持ってくるんですよ。
例:新陳代謝
*日本語を勉強している中国人から聞いた話です。

日本語の名詞などで感じが使われているのものは基本そのまま漢字表記でOKです。
本田は本田です。
余談:文化の起源。この話題って必ず荒れますよね。
起源?何?どういうこと?って思った方もいらしゃるかもしれません。
日本人で言ったら「カリフォルニアロールを寿司と呼べるか」問題です。
自分の国の文化や食べ物が外国で魔改造されている現象です。

僕はカリフォルニアロール否定派(だってそんなお寿司、ないんだもん)なんですよね。
中国人もそういう意識や考えがあるのかなと思ったのですが(実際に「中華思想」なんていう言葉がある)
私の知ってる中国人は「起源云々なんてどうでもいい。」派が多いです。
聞いてみたところ以下のような意見が多かったです。

「日本のラーメンは美味しい。え?ラーメンは中華料理だろって?いやもう派生っていうか、日本のラーメンは一つの料理として、ジャンルとして独立しているよ。また食べたい。」
「へぇー。こりゃ便利な漢字だね使わせてもらおう」
「使えるものは、使う」

この考え方、すごくイマドキの中国人らしくて好きです。

で、なぜ僕がムカついたのか

中国語を学んでいて、外来語に対して以下のような疑問が浮かんだんですよね。


「それってさ。発音から当て字を作ったのに元の発音からかなり遠ざかってない?」問題です

たまに中国人の喋る外国語が「発音、違くない?」となることがあるんですよね。
(日本人の英語がカタカナ英語とか言われているように)
まぁまぁ発音が正しい悪いうまい下手は荒れる話ですが、そういうはなしじゃないんです
じゃあどういう話か…。とある例を一緒に見てみましょう。


まずこれ
1.加拿大
 これなんだと思います?正解は「カナダ」
英語でのつづりは"Canada"です。
当て字も素晴らしいですね。日本語での発音(音読み。音読みは「中国由来」の読み方では?という突込みは今は勘弁してください。意図はそのうちわかります)に置き換えても発音は概ね一緒です。
ところがどっこい
中国語での「加」はピンイン(中国語でいうローマ字のようなもの)で「Jia」なんですよ。

JとKってさ。全然違くない?

日本語だと「加」は「か」であるためまぁ「Ca」と言ってもいいでしょう。
でもJとKというのは私にとっては無理がある。

何が言いたいかというと
中国語で当て字を作る時、K/Cに当たる音を「加」で表すんですね。
そのくせ発音は「J」なんですよ

日本語では「加」は「か」だもんね。でも君さ、中国語だと「J」じゃん。

発音を中国語式に置き換えたもの」で見てきた例をもう一回持ってきます

咖啡


はい。中国語でのコーヒーは「咖啡」なんですよね。
ここでまた少しを解説させてください。


中国語の発音は漢字の「旁」や「右側」が担います。(すべてではないです)
例:青 晴 清 情
声調を考えなければすべて「qing」つまり「部首ではない部分、ここでは右側」の「青」が発音のパートを担うことになります。
(反対側(部首)はサンズイだったりしますよね。これは漢字の属性を表しています。水に関係しているか、太陽・日付に関係しているか。皆さんもご存じだと思います)

コーヒーの綴りは"Coffee"発音記号は"kˈɔːfi"となります
つまり「k」の音ですね。口偏に加、つまり食べ飲みに関係する…ピッタリな新漢字だと思います。
では「咖啡」のピンインを見ていきましょう。

先ほどでは「加」の発音は「Jia」。
そして、Kに当たる音は「加」を使って表しています。
さらに「qing:青 晴 清 情」を例に漢字の読み方の法則を学びました。


これもきっと「Jia」と発音するんでしょうね。^^

【kafei】


いやお前さっきまで「Jia」だったじゃん。なんで「K」にしれっと生まれ変わってるの?

ここまでまとめて見出した法則性を破壊する展開です。
訳が分かりません。 「Jiafei」では何かいけなかったのでしょうか
怒りが止まりません。
文法での法則性がちょっとフェチな私個人的としてはこれはかなりイライラする話なんですよ
ちなみになんでかはちゃんと調べてないので知りません。誰か教えてください。


私の考察では以前の日本と交流していた中国の地域の方言由来もしくは古中国語での読み方と現代中国の標準語、東北語での発音の齟齬が起きているといったものです。
例えば北京大学の読み方ですね
ピンインではBeijingなのですが英語名だと「Peking」になっています
私たちが知っている「ペキン」ですね
我々が使っている漢字は中国由来で今でも多くの言葉が互換性を持っています。しかし時代や歴史背景を考えると漢字といっても広東語だったり客家語だったりたくさんあります。当時では「A方言でA'という読み方で日本に入りそれが音読みとして残り、現代の東北語との発音差異を生んでいる」という私の仮説です。
さらには中国語方言同士の借用語もあり、調べるといっても一筋縄ではいかないです。
ただ、今の私では中国史と日本史に中国の方言を同時に調べ上げる力量と時間はありませんでした。誰か教えてplease!

昔は「JiaFei」と呼んでいた人はいたらしいです。
若者は外来語を訳した言葉より、オリジナルの音に違い外来語(音訳)を使いたがる傾向があるみたいです。(自分の周りでは)
ちなみに外来語ばっかりだったり英語を交えて喋る人は中国にもいます。そういった人たちは中国でも、日本でいう「うわ横文字!意識高い系など」に近い目線で見られることもあるみたいです。

で知り合いの中国人にこの話をすると討論が始まったことがあります。
見る分には面白いので皆さんも話題なくなったらこの話を投下してみてください。めちゃくちゃいい意味で荒れます。

しかし最近の外来語は音訳が多く、できるだけオリジナルの言葉の発音に近づけている傾向にある気がしますね。

以上。中国語における外来語でした。そのうちまた更新します
じゃあの