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海外作家とのコミック制作について

さて、早いものでもう10月。この本は今年中を目標にしているので、そろそろ、というか作業にさける時間を考えると、かなり、やっていくことになります。

少しずつ、内容について作家さんたちとお話をはじめています。
いくつか、ネームの段階でやり取りをしている人もいて、とても楽しいです。

特に海外の作家は、日本のようにキャラ設定、ストーリーボード、各話セリフやコマ割りなどを編集者に確認したりしません。
ヨーロッパでは、「完成原稿数ページ+ざっくりとしたあらすじ」で企画が通れば契約、そのまま制作って感じのようです。これの良さもすごくあると思います。

今回はリトルプレスだし、基本はそれぞれの作家のやりたいやり方に合わせていこうと思っていたのですが(つまり海外の作家はネームのやりとりはしない)、実は海外の作家さんも今回は日本の編集者とのやりとりに興味を持って面白がってくれているみたいなので、今回は制作過程で何度も出してもらったりしています(もちろんそうじゃない人もいる)。

ぼくもヨーロッパのコミック制作に触れるのは初めてのことなので、とても新鮮な体験ができていて楽しいです。やっぱりお互いが面白がって作ると、良いものが生まれる気がします。

■実践

まず、必ずやらなくてはいけないのが、「アルファベットと日本語の必要スペースの調整」です。
英語のようなアルファベットはかなり小さくても何が書いてあるか視認できるのですが、日本語は(特に漢字があるので)同じポイントにしてしまうとつぶれて読めなくなってしまうので、翻訳後の文字数に限らず、そもそものふきだしのスペースが1.2~1.5倍くらい必要になります。
まずこの点を話し、適切な配置で構成を進めてもらう、というのがほとんどの場合、最初のコミュニケーションでした。

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多くの翻訳された海外コミックだと、アルファベットに最適化されているのでやはりすこし窮屈になったり、翻訳に制限ができてしまったりするんだと思いますが、今回は描き下ろしなので、こういうこともできちゃうな、とせっかくなのでやっています。

とはいえ、別に日本語だけでの完成度を目指しているわけではないので、「日本で受け入れられるため」という考えだけになっちゃわないように、気を付けています。外国語でもちゃんと対等にいいものになるようにしたい。

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つぎに、本全体の構成について、ですがこれについてはまた今度書きます。「いろんな国のいろんな場所で起こったこと」が伝わるような作りにできたらいいなと思っています。

そして、少しずつですが、翻訳作業にも入っています。これが、本当に、今一番の恐怖で…、果たして自分にこの量がやりきれるのだろうか……。
いろんな手順を踏んで、試行錯誤してみています。
その辺についてはまた書くこともあるかと思います。


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