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暴力ではない強い力


「no more violence」の姿勢に共感していただいている寒谷峠さんよりメッセージが届きましたので、以下にご紹介いたします。

件名:暴力ではない強い力
 
4月17日放送のNHKスペシャル「忘れられゆく戦場~ミャンマー 泥沼の内戦~」を観ました。
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/KVW1GKYWWQ/
https://www.nhk.or.jp/special/myanmar/
 
とても重い内容でした。ミャンマーの現状を伝える番組なのにウクライナとそっくりな動画が衝撃でした。ミャンマーの軍政にはロシアと中国から武器が供給されていたこともわかりました。殺戮のやり口もウクライナと同じで戦慄します。ウクライナの侵略戦争とミャンマー内戦は同じ国の一つの考えから出ていることを暗示する番組でした。
 
ウクライナの件でのことですが、ロシア文学の亀山郁夫さんが、毎日新聞にロシア人の精神性を深く掘り下げた文章を寄稿されていました。それがとてもわかりやすかったので、何とかしてご一読されることをお勧めします。4月15日夕刊と22日夕刊に前後編に分けて出ていました。
 
そこには、なぜプーチン大統領が神をも恐れぬ凶行を展開して平気でいられるのか、なぜロシア人の8割が彼を支持しているのか、そして最後に、希望はあるのかについて書かれています。遠いが希望はある、と言っておられます。
 
ミャンマー内戦の現況を報告するNHKスペシャルを見た限り、ミャンマー軍は、人民に言うことを聞かせるために暴力を振るっているのではなくて、人民の力を削ぐために殺戮を繰り返しているように思えました。ロシアが、近隣にあってほしいと望む国の姿と符合します。
 
指導者がロシアの言うことをよく聞くこと、その国に国力がないこと、軍事国家であること、それがロシアにとっては好都合なはずです。ミャンマー軍の指導者が自国の発展を望まないばかりか、わざわざ疲弊させる道を進んでいるのは、ロシアにそそのかされているから、としか考えられません。
 
ミャンマー軍指導者は本当に馬鹿なのでしょうか。それともイデオロギー的な何かがあるのでしょうか。専門家に解説してほしい点ではあります。
 
もう、ミャンマーの人たちに武器を取るなとは言えない状況になりました。ウクライナへの侵攻と同じ質のものだとすると、ミャンマーの人々をサポートする側も、確かな強さを持つものを提供しなければなりません。

当然、日本の我々は非暴力で挑まなければなりませんが、日本国内では、軍備拡張の声は聞こえるけれども、非暴力の戦い方についての議論は、あまり聞こえません。
 
ぼくは、日本の武力など、たいして強い力とは言えないように思っています。兵隊は実戦経験がありませんし、地下シェルターのある建物など一軒もありません。日本は、軍備よりもずっと強力な、暴力ではない力を考えて準備しなければならないのだと思います。
 
亀山さんの記事の中にヒントがありました。ロシアで40歳以下の人の中には、時代遅れのイデオロギーにとらわれず、心に闇を持たず、暴力的指導者に心酔しない、自立した若者もいる。彼らは地球規模で物事を考えることができる。彼らの存在が希望なのだそうです。

個人の自立を支え、悪に操られない人を作るのは、時間がかかるかもしれませんが、数が集まれば確かな「強い力」になるはずです。
 
ミャンマーの友人たちが心を失わないようにするために、ミャンマーの子供たちが自立した青年になるために、我々が提供できるものがあると思います。

今ぼくは、日本の地元の子供を集めて子供塾を開こうと、もがいております。自立できる子供の教育を目指しています。
 
これをミャンマーにも向けて発信できれば、自分なりの貢献ができるかもしれないと思いました。やり方も分野も色々あると思います。

多分、そういう小さなことが膨大な数に集まれば、暴力ではない「強い力」になると思うのです。
(寒谷峠)

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