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毒親育ち視点で見るジャンケットバンク タンブリング・エース

 残酷なことだが、雛形が餓え死に(なお、名探偵コナンだったら、餓死じゃなく脱水からくる云々言い出す)するまでゲームは終わらない。そして、対戦が出来ずに暇を持て余した無職の真経津。その退屈を紛らわそうとしたのか、パン屋さんごっこをしていた。その時、「負けた人の目」をした相手(何度も会っているが、真経津は名前を覚えていない神林の娘)と出会う。
 そして、遊びに飢えていた真経津は、面白そうな遊びの情報料なら払うと言い「オーバーキル」へと向かう。

 オーバーキルでは、ミツルがモブ相手に偉ぶって何か言っているが、マナブに速攻で蹴られる哀れなスネ夫的ポジションを晒してくる。強い奴にごまをすり、だからと言って他のメンバーから恐れられる訳でもないミツル。負けが確定する前から、多分ずっと怯えている。

 さて、問題のゲームは、タッグマッチ戦形式。それを聞いていた真経津が、予め呼んでおいた友達は村雨だった。村雨は一体どんな心境で、痛い目をみた対戦相手の誘いに、正装してまでやって来たんだろうか?
 からの、何かもう扱われ方が可哀想になってくる獅子神。

 いきり散らすマナブとは逆に、オドオドしているミツル。回想から、褒めて育てる母ちゃんの元で育ったのが判明するミツル。小さな賞とは言え、絵で賞を貰ったところで「友達が更に上位の賞を得ていた」からと、否定の言葉を投げてきた我が毒親とは真逆の母ちゃんだ。おそらく、マナブに出会わなければ、道を間違えることも無かったのだろう。

 一方、帝王()関屋考案・学生達が仕掛けたイカサマに気付いた村雨は、マシなマヌケ扱いしながらも獅子神にオレンジジュースを要求する。それも、ストローの色やパラソルを添えることまで指定して。
 そこから、村雨の思惑通り、(初対面の相手で何の義理も恩もない相手の考えを理解して)しっかりと「村雨が求めていた物の全て」を用意し、サーブしてくれる獅子神。この頃から、読者からママ扱いされたのだろうか。なお、ナッツは筋トレ民の定番のおやつである。

 それにしても、獅子神は「イカれた奴」の扱いに慣れていたのだろうか? イカれた奴の元で育ち、生き延びるためにイカれた奴の機嫌を窺い、食べ物を得る為にイカれた奴の気持ちを慮り、傷付かない為にイカれた奴の欲している何かを与えながら育った。その結果、イカれた奴が何を求めているかならば、息をするように分かるようになったのだろうか。察しの良さ、それは毒親育ちあるあるである。

 ゲームが終了してからも、お世話役ポジションに収まる獅子神。ステーキをねだり続ける村雨と違って、自分と真経津二人分のメニューを運んでくる獅子神。獅子神は、他者のお世話に慣れ過ぎだろう。
 マイペースな村雨は、ここにきて「耳が聞こえていない」ことが発覚する。だが、聞こえていたところで会話は噛み合わないので、聴力の問題では無いようだ。そして、タンブリング・エースをプレイしていた時間と、食事をしていた時間ですっかり「ナチュラルに注文係」になった獅子神。彼の未来はどうなるのだろうか。

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