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(15)松戸のソーシャルファーム日記 農ゲーム農ライフ

 当初のタイトル案は「イデらっきょ〜 におい発動篇」でした。それじゃあんまりなので「吉幾三」で検索してみたら、こんな写真が。青森駅すごいですね!今のご時世に合わせてマスク着用。なお元ネタはこちら。

緑の目覚め

 4月8日。今日は東松戸駅前のマクドで朝食。マックでもいいけど、Macと区別のために。客席の「消毒済」の札が全部「使用済」になっていたので、店員さんに教えてあげる。私は最後に残ってた消毒済の席へ。

 農園に着くと、いろいろな野菜たちが芽を出していた。小玉スイカにプリンスメロン、山東菜にコールラビ、そして万能ネギ。万能ネギは他と違ってクリップのような細い葉が特徴だ。ここからどう育つのだろう?

 中国レタスのユーマイサイも、だいぶ葉が大きくなってきた。自分の班の担当範囲外ではあるが、私は最初から自分の会社が借りているハウスの野菜全てに関心を持っている。休憩時間や、ハウスの外へお手洗いやお昼を食べに行くとき、ちょくちょく様子を見ている。私の持ち場は奥なので。

赤タマネギの件とジャガイモの謎

 もちろん、コレじゃないよ。ひとり目は赤いけど。

 今日も育ってきた野菜たちに水をやる。私の班の担当範囲はこんな感じ。

スナックえんどう → ジョウロ×5
リーフレタス → ジョウロ×4
サヤムスメ → ジョウロ×3
ブロッコリー → ジョウロ×6

 当然、ジョウロは数に限りがあるので水をやっては汲み直しを繰り返す。レーンの中央にスミサンスイのホースも設置してあるが、これだけには頼らない。「仕事を用意する」のがソーシャルファームの主たる役目だからか。前の人が水を切らしたら、手をあげるので次の人がそこまで行って水やり続行。職場では知的障がいを持つ人も一緒に同じ作業内容で働いており、彼ら彼女らにチームワークを身につけさせる意味もあるのだろう。

 前職の物流センターでも知的障がいの子たちはいたが、健常者とは違う単純作業しかさせてもらえなかった。はじめから障がい者就労の場として工夫された農園との大きな違いだ。

 今日は赤タマネギとらっきょうの収穫があった。らっきょうは全て収穫したので、収穫後の濡れたパミスサンドを乾燥させて次の種まきをできるようにする最初の工程「掘り起こし」に午後から従事した。
 赤タマネギのほうは目的が違う。こちらは間引きだ。私がこの農園に来る前から長い葉を伸ばしていて、カレンダー上は収穫の時期でもあるのだが、なかなか作業に入らないので気になっていた。

 農場長さんたちが試しに一本引き抜いてみて出来具合を確かめているが、球根が丸くなっていない。ちょっとふくらんだ程度で、スーパーで見かける丸々と太ったタマネギの形にはなってなかった。たぶん、植える間隔が短すぎて隣と養分の取り合いになってしまい、あまり育たなかったのか。
 スーパーには、よくできた「成功」の野菜しか並ばない。私たちはそれを当たり前のものとして受け止めている。しかしそこまで至るには、表からは見えない苦労や工夫があったことに、実際関わってみて気付かされた。

 プロスポーツ、フィギュアスケート、オンラインゲーム運営。私たちは自分が実際やってもいないものに、あ〜だこ〜だ文句を言うことがあるけど。全部同じではなかろうか。運営側の見えない苦労を知れば、きっとユーザーの視線も優しくなると思う。炎上を煽るだけだと、ゲーム業界はいずれ焼け野原を通り越して不毛の砂漠になってしまうかもしれない。

 農業指導者のアドバイスがあるとはいえ、私たちは専門家でない。あまりにも手間のかかる野菜や果物は、そもそも作付けしないようになっている。成功例だけでなく、失敗例も見ることではじめて農家さんのすごさが理解できるようになった。

 両脇が大きく育ってるけど、養分を取られて小さいままのタマネギはこれ以上の成長が望めないので、引き抜いてやる。小さくても、根っこの抵抗はすごかった。周囲のパミスサンドごと塊になって持ち上がる。生き物は死ぬまで生きることを諦めない。諦めてしまうのは人間くらいかも。
 葉っぱはネギそっくりなので、刻んだら食べられそう。うちに持ち帰って汚れを洗い、枯れた葉と根っこを取り除いたら味噌をつけてかじれそうな感じになった。

 赤タマネギの隣のジャガイモは、対照的に葉っぱを盛んに茂らせている。こちらは最初から十分に間をあけたからだろうか。つぼみも見えるのでもう少したてば、花が見れるだろうか。
 ところで、多くの植物は花が咲いたあとに実がなる。ではジャガイモの花は「実」をつけるのだろうか?私たちが食べているジャガイモは、ご存知の通り「地下茎」だ。ジャガイモを植えるときは普通、種芋を埋める。

 謎の答えは、Wikipedia先生が教えてくれた。興味がある方はどうぞ。

ネギ臭がすごい、におい発動篇

 農場長さんたちが、収穫したらっきょうを試食した感想を話し合ってる。お土産にしても大丈夫か、検討するためだ。目にしみたらしい。タマネギを切ったときに涙が出る感じだろうか。

 収穫したらっきょうがいくつあるのか、仕分けとカウント作業をする。私は前職の物流センターで薬の検品をやっており、この手の作業は得意だ。
 しかし、においがすごいらしい。私は花粉症で鼻が詰まり気味だったり、においに慣れてあまり気づかずにいたが、一度離れて戻ってくると確かに臭かった。帰り道でもにおっていたような。

 お土産でうちに持ち帰った、らっきょうの一部を味噌つけて生でかじってみた。辛味がすごい!ピリッと来る。市販のらっきょうより辛味を感じるのは新鮮さの証だろうか。結構な量なので残りは甘酢漬けか塩漬けにしようと思う。

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