見出し画像

(7)松戸のソーシャルファーム日記 あちゅい

 3月16日火曜日。早朝に地震があった。長めに揺れる嫌なヤツ。最近10年ぶりに、東日本大震災の余震が来ていただけに怖い。10年前は前職の物流センターで、職場内で被災。棚は倒れなかったが商品が飛び出してきて後片付けが大変だったのを覚えている。

 ちなみに朝は4時か5時頃に起きて、前の日の日記を書いたりしている。ADHDの薬ストラテラを飲めば、仕事が終わる夕方には眠くなるので夜更かしせずに規則的な生活リズムを作れる。早起きもできるので、寝坊の心配はほぼなくなる。逆に薬を飲まないと、夜ぜんぜん眠れないが。

暑いよ

 朝17℃くらいで少し寒く感じたのに、ハウス内に入るとすぐ暖かく…いや暑くなってきた。27℃以上に上がっている。休憩時間にお手洗いへ行くと、空も雲ひとつないくらいに晴れていた。

 農園内の建物はほぼ全部、トレーラーハウス。農地に建物が立てられない法律の関係上、事務所や食堂は他所から引っ張ってきて固定する。トイレも同じだ。なので長い廊下はハウス内しかない。

 私より長く農園にいる、同じ班の人に話を聞くと。夏は暑さ指数WBGT値が一定以上になるとハウス内の日陰確保用テントで待機したり、危険な暑さのときは空調の入る部屋で待機になるらしい。去年の今頃は緊急事態宣言で休園になっていたから、この時期の暑さは未経験とも聞いた。

更衣室は6人まで

 三密回避のためだ。人数が多いときは、外で着替えが終わるのを待ってから入る。他にもコロナ対策のためのルールがいくつもあり、その手順がもう日常になっている。

 休みの日に近所の湯良の里に行ったら、脱衣所と浴場は会話禁止。洗い場には顔の高さに仕切り板、密になりがちな人工炭酸泉はビニールカーテンが設置してあった。飲食店では見慣れた光景だが、ついにスーパー銭湯まで。本当に世界は変わった。ゲームのルールは変わった。

家事は男の仕事

 今日はクウシンサイの種をまいた。下準備で水まきをしてパミスを湿らせ播種盤で等間隔に穴を開ける。そしてそこにひとつずつ、コーティングされていない自然の種を植えてゆく。

 クウシンサイって、漢字でどう書くんだっけ。現場では空芯菜と書いたがどうやら中国語では「空っぽな心の野菜」と書くらしい。葉や茎をお浸しや炒め物で食べる野菜だ。難溶性のシュウさんカルシウム?を多く含むので、食べ過ぎ注意らしい。

「先日、父がプルコギとチンゲン菜の炒め物を作ってくれました」

 収穫の終わったチンゲン菜の根処理をしながら、何に使ったのかを話す。ここに来て二週間ほど経ち、私も農園の日常に馴染んできたか。今回はパミスが十分乾いていたので軽く、ふるいにかけて根っこを取り除く工程が楽にできた。

 数年前、母がパーキンソン(レビー小体型認知症)になったため。それ以来我が家では、家事は男の仕事となっている。父は炊事洗濯、掃除担当だ。私も食器洗いや洗濯物を畳んだりする。父の料理は、目に見えて上達した。父がお疲れのときは、私が率先して後片付けをする。

 母は時折無理して台所に立とうとするが、私がやるので休んでいてと声をかける。彼女は自分が家事をできないことを申し訳なく思っているようだが子供が自立できるように、最後に重要な役目を果たしているのだ。私はそう思うようにしている。

アーティストデートの足しにさせて頂きます。あなたのサポートに感謝。