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あなたの青春の味は、なんですか? / 長浜を冒険して(なるる)#Season2

8月1日。第二回目のフィールドワークでは、滋賀県長浜を冒険してきました。フィールドワークでは、U-18の「やってみたいかも?」をみつけるために、全6地域を冒険し、その未来をつくるアイデアを考えることに挑みます!

このnoteでは、
1・どんな地域に行ったのか?
2・どんな人に出会ったのか?
3・U-18のシェアで感じたこと!
を書いていきたいと思います。

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今回の冒険先、長浜は、琵琶湖の右上にあり、大阪・京都よりも、福井・岐阜の方が近い場所にあります。そして、今回はその長浜にあるつるやパンさんにお伺いしました!


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現在、つるやパンは長浜市内に2店のお店を経営しています。
そして今回、中継してくれたのはつるやパン2号店からでした。
2号店は、長浜駅から徒歩で3〜4分ほど、その間にも伝統的な街並みを見ることができます。

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(2号店の店の入り口に向かう途中の様子。趣のある街並みです。)

長浜市には、豊臣秀吉の築城した長浜城があることでも有名ですよね。
歴史ある長浜で出会う、つるやパン。一体どんな人がお話をしてくれるのでしょうか。


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地域を案内してくれるナビゲーターで、つるやパンというパン屋さんの中山 郁英さん、地域で活動をしてるローカル・プレイヤーで、合同会社kei-fuの西村 豊弘さんに出会いました!

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(左から、西村さん、中山さんです!よろしくお願いします!)

ナビゲーターの中山さんは、長浜出身。東京からUターン(県外から地元の県に戻ってくること)をしてきて、現在は行政の人と一緒に面白い企画を考えたり、週に一度喫茶店を営んでたりしているとのことでした!
地域にワクワクや、面白いを仕掛ける仕事人という印象を抱きました。

ローカル・プレイヤーの西村さんも、同じく長浜出身!東京からのUターンで長浜に戻ってきました。

つるやパンは、西村さんのお爺さまが1951年に創業した、地域に根ざしたパン屋さんです。つるやパンの創業秘話は、ホームページに漫画として掲載されていますのでぜひご覧ください!

実家がパン屋の西村さん。大学進学を機に、長浜を出ました。大学時代の友人に、つるやパンの目玉商品であるたくあんを挟んだ「サラダパン」を紹介するも、「嘘つき!たくあんを挟んだパンなんて、目玉商品じゃないでしょ」とそんなことを言われてしまいました。

そんな言葉に諦めなかった西村さんは、帰省の際にサラダパンを大量に確保し、大学の友人のために持ち帰りました

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(これがサラダパン。おにぎりの代わりになるようなパン!とのこと。食べてみたい!)

大学卒業後は、東京で編集に携わっていた西村さん。ところが、西村さんのお父様が体調を崩され、つるやパンを閉めようと思うという話をされます。

長く歴史のあるつるやパン。
アイデア溢れる、たくあんを挟んだ「サラダパン」。

西村さんは、お父様の体調が回復する間だけでもという思いから、3ヶ月の間、東京の仕事を休み、つるやパンの手伝いに向かいます。

ですが、西村さんはパンの製造の経験がありませんでした。製造以外の配達や接客などをしながら、つるやパンの看板を守ります。

そうしているうちに、いつの間にか東京の仕事をやめて、つるやパンに専念するようになったとのことでした。

子供の頃つるやパンの屋根の下で過ごした思い出つるやパンの温かい手作りのパンの思い出。
それは長浜を離れていた大学時代も、東京の仕事を休んで長浜に戻ってきたサラリーマン時代にも、きっと西村さんの心の奥底で火を灯していたからこそ、つるやパンに専念するという決断ができたのではないでしょうか。

そんなつるやパンは、2016年に2号店を出します。本店の目玉商品は、「サラダパン」。地域に愛されるという言い方をされ紹介されることもありますが、実は地域の人から根強い人気があるのは「サンドウィッチ」という魚肉ハムを「丸い食パン」で挟んだパン

その「サンドウィッチ」や丸い食パンを専門的に売り出しのが、2号店。

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(「丸い食パン」を紹介している西村さん!)

2号店は、近くに高校や学習塾もあります。そのことについて、西村さんはこう語ってくれました。

高校の部活帰りとか、つるやパンに寄ってパンを買って食べる。そして、何十年後に、そのときの思い出とともに、思い出してくれるようなパンになってほしい

いまでも、つるやパンには昔の味を求めてやってくるお客さんもいると言います。そんなお客さんにも変わらない味を提供し続けること、青春時代の味を何十年後にも提供し続けていること、それがつるやパンの大きな願いです。


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インタビューで、地域のこと、ローカル・プレイヤーの活動のこと、を知った上で、自分たちの考える未来をワークショップで考えていきます。

つるやパンさんの話には、「地域に愛される」「パンが思い出の一部になる」など、心惹かれるキーワードがたくさんありました。

そんな中、ワークショップで全国から集まるU-18はどんなことを考えていたのでしょうか。

地方の大学で勉強しているとある大学生メンターはU-18のワークショップを見ていてこんなことを感じたらしいです。

都会に住んでいる人は地域密着に惹かれていて、人が多いところはそういう人との繋がりが少ないのかなと思いました。

都会のマンションなどでは、隣の人が誰かも分からない。自分の地域にどんな人がいるのかも分からない。そういう問題があると聞いたことがあります。今では、都会でもコミュニティづくりが進んでいますが、それでもまだこのような問題が存在するのは確かでしょう。

U-18の中には、都会に住んでいるU-18も地方に住んでいるU-18もいます。そういう中で、地方と都会のコミュニティのあり方の違いを率直に感じられるのは、U-18の住んでいる地元のコミュニティを考えるときのいい示唆になったのではないかと思います。

そして、そんなワークショップから出たアイデアの数々です!
グラレコは、Akita Graphic Recorders!のみなさんによるものです!

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様々なアイデアがありますが、地域との交流や、地域との交流を広げていくというアイデアも目立ちます。パン作りは創造的になれるというのも、切り口が斬新で面白いですね。

つるやパンさんの、地域密着、人との交流、思い出の一部になるということを確かに吸収しているようにも見えました。

今回は、滋賀県長浜を訪れました。
そこには、地域に愛されているパン屋さんがありました。
そこには、地域に愛されるということを教えてくれる人がいました。
地域に住む人々の思い出の一部になる。
買いに来てくれた人の思い出の一部になる。
そんなパンを提供するパン屋さん、それがつるやパン。

部活帰りの高校生が、つるやパンを買っていく。
数十年後、懐かしい友達の顔と共に温かいパンが思い出される。

あなたの青春の味は、なんですか?


なるる

<この記事を書いた人>
なるる。武蔵野美術大学造形構造学部に在学中。innovationGOの運営をするi.clubでインターンをしており、大学生メンターとしてinnovationGOに関わる。普段は、社会とデザインをどう結びつけるか、を考えている。森や川、海、山など自然の創り出す空気が好き。実は・・・なるるが本名ではない。

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