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『幻の講話 一巻選集』まとめ①

第1講

挨拶と森信三の師匠の話です。
師匠の話は後にも出てくるのでここでは割愛します。

第2講:13歳頃に人生のタネまきが必要

13歳頃である理由については、この本では個人的な経験からの展開で、明確な理由は延べられていません。
ただ森信三の他の著書では、13歳頃が伝記を読むのにもっともいいとあり、それより前だと理解が及ばず、それより後だと素直に入らないからだということです。
孔子も「十五にして学を志し」ています。
15にして志すためには、それより前にタネをまく必要があります。

翻って自分を見返すに、13歳の頃に志を立てるようなタネは一切まかれていません。
よほど意識の高い家でない限りはほとんどの方がそうではないでしょうか。
「勉強していい大学に入れば幸せになれる」といった所でしょう。
そんな私たちは四十にして惑わずとか言ってないで、一から志を立てる気概が必要だということです。
志については『福に憑かれた男』のまとめでも書きましたが、「金持ちになりたい」というような結果ではなく、あり方に基づかなければなりません。
志の立て方は人それぞれでしょうが、私が実践したのは『7つの習慣』の「終わりを思い描くことから始める」です。
自分の葬式でどんな人にどんな言葉をかけてもらいたいかを思い浮かべ、生きてる間にどうあればその言葉をかけてもらえるかを、原則に基づき具体的にイメージしていきます。
私は泊まり込みで3日かかりましたが、それから明らかに生活の質が変わったと自覚でき、とても良い試みでした。

森信三は伝記を読む時期について「13歳頃」「40歳頃」「60歳頃」と言っています。
13歳で学びのチャンスを逸したとしても遅くはないので、今から取り返すつもりで学んでいきましょう。

第3講:甘え心をふりすてよう

幕末の悲劇の志士である橋下佐内の『啓発録』からの「稚心を去る」がベースです。
彼は武士の子供に対し、立派な武士になるためにはこの3点を守って甘え心を捨てなさいと説いています。
①親に起こされる前に起きなさい
②勉強しなさいと言われる前にしなさい
③兄弟げんかをしないように

要するに、自立しなさいということです。
これは子供に限った話ではなく、今の日本はいい年して依存している人だらけです。
自分が何を貢献できるかではなく、会社が何をしてくれるかで職場を選ぶ。
まあ選ぶ時は百歩譲っていいとしても、入社して何年経っても依存体質から脱却できない。
そんな社員ばかりの会社では、責任ある仕事を任せては成長はおぼつかないので、依存体質を利用して搾取して無理やり成長するしかない。
こうしてブラック企業と社畜という悲しい関係が生まれるのです。
これは自立した人材を輩出してこなかった学校教育の弊害ですが、カリキュラムや制度に問題があるのであって、雑務に忙殺される教師に原因を求めるのは酷というものでしょう。
私が寺子屋で強く正しい子供を育成しようとチャレンジしているのも、学校教育に限界を感じているからです。

そういう訳で、自立した人材が入社してくれるのは稀なことなので、会社として覚悟を持って社員の自立を促す必要があります。
どれだけ経費がかかったとしても、自立した社員を育成することは会社にとって大きな財産になるし、社員の幸せにも繋がります。
自立した社員は、『7つの習慣』でいうところの「会社や顧客とwin-winの関係を築け」「より良い方向に進むためのシナジーを生み出せ」るので、会社に利益をもたらし、社員自身も生きがいを感じることができるからです。

この「甘え心をふりすてよう」は、私たち自身が実践し、子供や後輩に手本を見せられているかが問われています。

雑話

今年4月、京都の宿坊(お寺に付随してる宿泊施設)に泊まりました。
いわゆる新入社員、寺に入りたての修行僧が沢山いらっしゃいました。
その修行を修了した2年目のお坊さんに話を聞くと、彼らは22時消灯、3時起床。スマホも使えず家族との連絡は手紙のみ。
それを1年間休みなく続けるそうです。
「これほどのブラック企業はなかなかないでしょうね」とお坊さんは苦笑してらっしゃいました。

過剰かとも思えるほどのこのルールは、「甘え心を振り捨てる」ただその一事のためなのでしょう。
完全に甘え心を捨てるにはそれくらいの厳しさが必要だと痛感しました。
私たちは物質世界に生きているのでそこまで厳格でなくても良いかと思いますが、物質世界は誘惑が多いので、たまには彼らを見習って甘え心が芽生えてないか反省したいものです。




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