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納期重視の文化を壊したい

 最近、品質不正のニュースが多いので、その理由と対策についてネタを書きたいなと思いました。真面目に書こうと思ったら筆が止まってしまい、今週は初投稿です。結論、納期への考え方の変革が必要だと思います。これは、最近読んだ以下の本からヒントを得ています。著者の牛尾 剛さんはnoteでも同様のことを書かれているので、リンクを貼っておきます。一方、ソフトウェア業界は私が所属しているものづくりの業界を同様に捉えるのはちょっと違うよなということもあり、色々とググっていたら凄いしっくりくる整理をしてくれている個人ブログあったのでそのリンクも貼っておきます。

品質よりも納期の風潮

 個人的な経験を踏まえても、品質不正はこれが一番の理由なのではないかと思います。この記事の1ページ目に共感します。

 私も会社に入ってからこのプレッシャーは何度も体験していています。一度設定した納期にものづくりや据付を完了することが一番です。途中で問題が発覚したりで、守ることが難しい場合でも言い訳は許されません。なぜでしょうか?納期遅れを起こすと、遅れ一日ごとにウン千万円という損失が発生するためです。私の業界において、最終的な”納期”というのは契約です。これが守れなければ、賠償を課せられる場合がほとんどです。
 納期なんて設定せずに、牛尾さんのnoteにある”完成した時が完成だ”という考えが個人的には好きだし、agreeなのですが、私の業界においてはそれは残念ながら通じないなーと思っています。
 でも、そもそも適切な納期を設定す守るのってめちゃくちゃ難しくないですか?これぐらいかかるだろうなという時間の2倍はかかるのが私の個人的経験です。仕事は本当に難しい。ましてや数年がかりのプロジェクトの最終的な納期を精確に設定するのは個人的には不可能だと思っています。

納期は変えても良い ~業界と会社の文化の変革が必要~

 これはあまりに壮大な話で、私個人としてできることは少ないので多くは語りませんが、品質重視するためには、
 ・納期は変えても良いということを受注者も発注者も理解する
 ・納期通りに納めることを目的にしない、評価しない

 ことが必要だと思います。私の業界としては、契約上、納期を設定しないというのはあり得ないとしても、納期は状況によって変えても良いということを受注者も発注者も理解し、そういう内容を契約に盛り込むことではないでしょうか?契約については素人なので、具体的にどういう内容かと言われるとわからないのですが。今度、契約について詳しい人に聞いてみます。

 品質不正が起きたときに、品質重視への意識改革というのは必ず謳われますが、納期に対する考えを変えないとむなしい口だけのスローガンに終わるでしょうね。現場は納期を守ることが優先になっているのですから。納期は不要とまで言わないですが、”納期は変えても良いよ”ぐらいはトップから号令が必要じゃないですかね。
 プロジェクトの途中経過にて、遅れそうなら納期変更の依頼をするのは恥ではない、注文者側も受け入れる風土が必要だと思います。直前に言われたら無理なのでしょうけど、2カ月前/3ヶ月前にもう無理だと思ったら早めに申告して納期を変更する。そういうことが必要だと思います。
 
 ちなみに、いま私はマレーシアに住んでいますが、仕事上も、”え?そんなことが急にスケジュール変わるの?””一時期騒いでいたのに急に話が変わったな”ということがよくあります。良くも悪くもスケジュールが柔軟に変わります。日本人はこういうことに対して、戸惑ったり、キレたりする人が結構いると思うのですが、このスケジュールに対する柔軟性はむしろ取り入れた方が良いと思うのですよね。

個人としてできること(仕事の進め方)

 私が今まで納期と言ってるのは、契約上設定されている最終的な納期なことです。確かにこれは守らないといけないですし、安易に変えられるものではありません。一方で、個人担当者レベルで振られる仕事は納期ではなく、ただの依頼者の願望であることがほとんどだと思っています。そして、依頼者は大抵の場合、その仕事にどれぐらいの時間がかかるのかなんて良くわかっていません。

”納期”と”目標(願望)”を分けること

・請負側の場合は?
 あなたが仕事の依頼を受けたとき、品質の良いものを納めるのにはどれぐらいかかるか考えて、無理ならはっきり伝えましょう。また進める中で、思ったより確認が必要、他の人の協力が必要だとわかったら事情を依頼者に相談して、期日が間に合わないことを伝えよう。目標期日を守ることを目的に適当なアウトプットを出したら、余計に迷惑がかかり、全体の仕事が遅れることがほとんどです。自分の仕事の品質に納得できないなら、まずは、相談しよう。思ってたより想定していた期日が絶対的ではないとわかります(他でリカバリーできる)。もしくは、私もあまり意識していなかったのですが、”スコープ”を減らすという手段もあります。

・依頼者の立場の場合は?
 その仕事の期限の影響度を考えて依頼しよう。依頼内容が遅れても、全体への影響は少ない、進められるとこは進められるならば、”期限”という言葉を使わずに”目標”と言ってあげるのも良いと思います。もしくは、信頼できる人なら期限をあえて言わないというのもありだと思います。
 逆に、絶対にある期日を守ってもらわないといけない仕事ならば、その旨を伝えることです。例えるなら、結婚式当日に必要な服装の納入日の依頼とかですかね。さすがにこういう類の仕事は当日に間に合わなかったら、当然のごとく、全く意味がないので。。最近、あろうことか、、私はこういう類の仕事の依頼をしたときに期限を設定せずに失敗しました。

仕事を早く終わらせることを目的にしないこと

 私は、最近この病に陥っていました。なんていうか自分のタスクをとにかく早く消化することが目的になっていたのですよね。でも、こういう考えで仕事していると成長もないし、余計に色んな人の時間を奪ったり、余計に疲弊したりすることに最近気づきました。タスクが全部なくなることなんて永遠にないのです。残って当たり前なのです。
 一つ一つ丁寧に自分が納得できる仕事をすること、仕事を”完了”することを目的にした方がいいです。完了の定義として、私は後戻りがないことを意識してます。

 またツラツラと書いたうえに目標としていたこのnoteの作成時間を大幅にオーバーしてしまいました。でも、そういうときも、"そういうこともあるよね"ぐらいの気持ちを持つことが大事だというお話でした。




 


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