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ミャンマーのポップミュージックとボーイズグループ GAMII XとAwesome BoyZ

日本から西へおよそ4500キロ。飛行機に乗れば8時間ほどで到着する、インドシナ半島の西部に位置しインドやタイ、中国などと国境を接する国、ミャンマー。正式名称は、ミャンマー連邦共和国。

Yahoo!ニュース、から無断DL

外務省によると、広さは日本のおよそ1.8倍の68万平方キロメートル。そこに現在、およそ5100万の人が暮らしているそうです。最大の都市はミャンマーの南部にあるヤンゴンで、由緒ある寺院や活気ある巨大なマーケットなど古今のミャンマーの姿がみれるそうです。またミャンマーは、米粉の麺に魚ベースのスープを合わせた”モヒンガー”や小麦の麺にココナッツミルクのスープそしてカレー味の鶏肉をトッピングした”オンノカウスエ”など、”麺大国”って言ってもいいほど豊富な麺料理を味わうことができるみたいですよ。
そんなミャンマーは2011年に、それまでの軍事独裁政権からの民主化を果たして以降、観光客が増えたり大きなショッピングモールができたりと徐々に発展をしてきたそうです・・・、でも、わずか10年後の2021年にクーデターが発生して軍事政権が復活。現在まで続いている軍事政権下において経済は停滞し、周辺の国に比べて開発途上にあるそうです。

そんなミャンマーにもあるのが、ポップ・ミュージック。ミャンマー音楽とミャンマー文学を研究する大阪大学の教授、井上小百合さんによりますと・・・

1885年にミャンマー最後の王朝が滅びイギリス植民地となる前後から、タチンジー(大歌謡)と呼ばれる古典歌謡に対して、民衆にとって親しみやすい新しい傾向の歌謡が登場する後にカーラボーと呼ばれる流行歌謡、いわゆるポピュラー・ソングである。(中略)もともとは一般名詞として流行歌謡を指していたが、後に社会主義時代が終わった1988年前後までの歌謡を指す時代区分的なジャンル名として定着した。

井上さゆり『メディアから生まれるポピュラー音楽 ―― ミャンマーの流行歌謡とレコード産業』

1885年(※ミャンマー以前、イギリスの植民地になる前のコンバウン朝の最後の年ぽいですよ。)に誕生したという、ミャンマーのポピュラー・ソング(=ポップ・ミュージック)。1907年にインドのカルカッタにレコード・プレス工場が設立されてアジアの音楽産業が始まった後の発展につきましても、井上小百合さんが貯めた知識を、ワイドショーを騒がせる元通訳の人クラスにパクります・・・。

1930年頃から旋律やリズムの面では外国の歌謡の影響を受けたものが見られるようになってくる。ギターやマンドリンなどの外国の楽器も使用するようになった。(中略)リズムや曲構成のスタイルにジャズの影響を受けた曲も数多く作られた。(中略)西洋的な歌い方やファッションの歌手も登場する。(中略)
1940年代半ばになると、ミャンマー音階にはない半音を含めた12音階が演奏されるようになる。(中略)西洋音階を用いた作曲はその後広く普及していく。曲の展開も西洋音楽の影響を受けていく。(中略)
1970年代以降はコピー歌謡と呼ばれる、外国のポップスやロックのカバー曲が増えていく。コピー歌謡だけでなくロックやポップスの影響を受けた作品は、アンプなどを利用した音響からステレオ歌謡とも呼ばれる。

井上さゆり『メディアから生まれるポピュラー音楽 ―― ミャンマーの流行歌謡とレコード産業』

ミャンマーのポップ・ミュージックは、イギリス植民地期の1930年頃に海外の音楽に影響を受けて、そして第二次世界大戦(~1945年9月)後頃に海外の音楽を独自に吸収して発展していったぽいですね。

しかし、時を経た2021年にクーデターが発生しミャンマーは現在、国軍が実権を掌握します。その結果、週刊誌『ニューズウィーク日本版』の2023年3月11日の新町智哉さんの記事によりますと・・・(※一部アタシ改ざん)

(ミャンマーの)エンターテインメント業界は(中略)、皆さんが思っている以上に表現の自由は制限されていますそれは命の危険があるというレベルです。そんなハードな状況ではありますが、様々な人が慎重な中でも挑戦を続けていると私は感じています。(中略)
軍から指名手配を受けながらも国内に留まり、エンタメを通しての表現活動、更には困窮する人々への支援活動も続けている人もいます。

ニューズウィーク日本版『ミャンマーのエンターテインメント業界の動き、今後の予想』

その厳しい状況の中でも、2022年10月に女性アイドルグループのJ-DiP、2023年2月にはガールバンドのBLUSH、6月にはボーイズグループのThe Feniksがミャンマーでデビューをしています!そして今年、2024年・・・。ミャンマーの表現の自由は失われず、新しいミャンマー・ポップ・ミュージックのグループがデビューしています!

𝐆𝐀𝐌𝐈𝐈 𝐗 「𝐃𝐑𝐄𝐀𝐌 𝐇𝐈𝐆𝐇」 Official MV
ミャンマーはヤンゴンにあるメディア企業・RAHTA Entertainmentがデビューさせる初めてのボーイバンド、GAMII X(たぶん読み方は、ガミイ エックス)。メンバーは、SETHさん、XIMINさん、LINN HTETさん、RONさん、KAY(ケイ)さんの5人。ガースー元首相レベルの全集中でリスニングしたのですが、英検5級に落ちたアタシにはメンバーの読み方は1人しか聞き取れませんでした!GAMII Xは2024年3月、曲「DREAM HIGH」をリリースしてデビューしたっぽいですよ。
曲のプロデュースは、ミャンマーのR&BアーティストのJAZ3さん。2ステップ調で、サビにジャージークラブみを足した感じだと思います。作詞&編曲にメンバーも参加していて、歌詞では”夢は高く持って前へ進んで行こう”的なことを歌っているみたいですよ。Videoは、路上と屋上、あと空を背景に撮影をしています。衣装も、スカイブルーや白を使ったりしてますね。

GAMII Xは2024年3月24日にデビュー・ミニアルバム『To the X』をリリース、同じ日にデビューコンサートも開催していて、そのコンサート映像を見ることができます。ミャンマーのファンや雰囲気、あと韓国(K-Pop)からの影響を少し知ることができて楽しいよ。

"𝐆𝐀𝐌𝐈𝐈 𝐓𝐨 𝐓𝐡𝐞 𝐗" 𝐃𝐞𝐛𝐮𝐭 𝐂𝐨𝐧𝐜𝐞𝐫𝐭 Momen

ハードな軍事政権下にあっても挑戦や表現活動をしているのは、GAMII Xの他にもいます!

AwesomeBoyZ 「Min Nae Achit (မင်းနဲ့အချစ်)」 Official MV
2020年2月に、YouTubeに「A Yin Lo (အရင်လို)」という曲のリリックビデオをリリースしてたぶんデビューしたミャンマーのボーイバンド、Awesome BoyZ(オーサム・ボーイズ)。メンバーは現在、Minさん、J Myoさん、Eliaさん、Joshuaさん、Paiさんの5人。そんなAwesome BoyZが、2024年4月にデビューから4年ぶりとなる2nd シングル曲をリリースしたみたいです!それが、↑の「Min Nae Achit (မင်းနဲ့အချစ်)」。
曲のプロデュースは、ミャンマーのボーイバンドのProject Kとかに楽曲提供をしているCrackyさんで、R&B系でラップも入っています。曲名の「Min Nae Achit (မင်းနဲ့အချစ်)」はChatGPTによると"君といつまでも(Together Forever)”的な意味で、誰もが人生で一度は愛に出会うって歌っているんだって。Videoは、イメージ映像とパフォーマンス映像でできています。パフォーマンスにBTS感がありますが、韓国のBTSやSEVENTEENとかに影響を受けていて、Awesome BoyZは2023年に『Kpop Word Festival Myanmar』のカバーダンスで優勝しているみたいですよ。

ミャンマーや韓国をはじめ世界から、早く軍隊がなくなりますよーに!代わりに攻殻機動隊かブレーメンの音楽隊を各国に配備で。