夏の夜は暗い

夏の蒸し暑さに誤魔化されて
戻ってこないでなんて虚しい叫びは夜の公園に吸い込まれた

居場所がわからなくなって
彷徨い歩く夜になんと笑いかけたらいい?
おかえりなんて余裕あるね
私を慰めるように火をつけて
馴染みのいい味が広がった
言えないならば仕方ない
ただいま、出迎えてくれたのは暗闇のかけら


歩き出せたなんて束の間の幻覚
ぬるま湯に浸かって足踏みしていただけだったのかな
二度と戻らないと誓った
あの時の小指は弾け飛んでしまった?

ふっと軽い息で消された
ずっと消えない火種がほしいよ
5分間だけ寄り添ってくれる手元の赤に心を委ねて
どうしてまた君なんだよ
こっちを見ないで
笑うなら笑えよ

嘲笑うかのように踊ってる
前言撤回、放り投げた
公園の隅でうずくまってる
少しの罪悪感と臭くなった指

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