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2020年のネトフリ映画ベスト3【名画座インコさん 番外】
今年も動画配信サービスで色々な映画・ドラマを観た。
ウェブラジオで「Netflixのおすすめ3本出す」とも言ったので、ここで普段のまとめの番外編として、今年観たNetflixの作品から「今年の三本」を選びます。
・ドラマではなく映画
・今年自分が観た映画なので、公開日などは特に関係ない
・Netflixオリジナル作品に限る(サムネイルに「N」の字が入っているやつ)
という条件でひとつ。順位付けもエラそうですが、あえてつけました。
3位【ホースガール】
Netflixで「ホース・ガール」を。クラフトショップで働く女性の夢と現実の区別がつかなくなり…という話。大好物。主演のアリソンブリー、すごいいい演技!身につまされる演劇によくある「これ突然終わるから覚悟しないと」という気持ちになる。衣装もいい。後半のニンジャルックは忘れられない。 pic.twitter.com/zlBHZ4avYZ
— インコさん(リタ・ジェイ) (@rita_jay) February 28, 2020
統合失調症の進行具合を描くドラマと思うが、真剣な主人公と当惑の周囲、という構造の中、観客も完全に周囲側になる作りで、それが最後まで続くので「どこかで突然終わるんだろうな」を覚悟する映画になる。
序盤の乗馬クラブオーナーの「主人公に対するわずかなありがた迷惑感」というシーンがすばらしい。
2位【クロース】
Netflixで「クロース」を。
— インコさん(リタ・ジェイ) (@rita_jay) December 29, 2020
ボンボンの配達員と孤独なおもちゃ職人の友情が「サンタクロース誕生譚」を生む。
導入はわかりやすく自然。人物の目的と因果関係が大きな流れを作り、ユーモアの中にテーマが明確に出る。完全に近い「物語づくりの教本」。桑沢の授業で紹介したかった。年末にシビれた。 pic.twitter.com/K1U6bQFlQk
本当、エンターテイメントの教本ではなかろうかと思う。
自分は桑沢デザイン研究所で「後期表現研究」という授業を担当しており、「面白味の構造とは」をコメディ、演劇や映画などからその理屈を解説していたりするのだが(なんかカタいイメージですが、自分のスタンダップコメディを理屈多めにしたような感じです)、本作と「ルパン三世 カリオストロの城」を学生時代に何回も見れば「物語作りと面白がらせの基本型」はわかるのではないのかと思う。
これはこれで「王道ゆえに偏っているかもしれない」があるが、それを自覚してから自分の好みと「それを外してもやりたいこと」ができると思う。
1位【この世に私の居場所なんてない】
Netflixで「この世に私の居場所なんてない」を。
— インコさん(リタ・ジェイ) (@rita_jay) April 27, 2020
ケア施設で働く中年女性が空き巣に入られたので、変わり者の隣人と共に探しに出るが…
これは最高の映画!!
「日常の些細な不幸にまみれた」主人公にあるあるの笑いをもらいつつ、その等身大の不幸が雪だるま式にヤバい方向に転がり、そして突破する。 pic.twitter.com/qV96RyUPjO
「この世に私の居場所なんてない」いや、本当に面白かった。
— インコさん(リタ・ジェイ) (@rita_jay) April 27, 2020
主人公の「身の丈の常識・良心」と起こる事件のヤバさの綱渡りが心地いい。こういう芝居が観たい。主演は森谷ふみさんにやってもらいたい。
ツイートにも書いたが、リアルな不幸が連鎖して笑わずにはいらないが、主人公に「いけ!」と思わずにもいられない。
自分はこういう物語が観たかった。そしてやってゆきたいと心から思える映画だった。森谷ふみさん、また一緒に舞台をやりたい。素晴らしい役者です。
来年も楽しい映画に出会いたい。と、まずはドラマの「コブラ会シーズン3」が楽しみすぎるが……
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