初めての監査と外部評価

さてさて、時間は少し戻ります。令和元年九月。県からいきなり電話がかかってきます

『監査指導部です。運営指導についての案内です。この日に来ますので通知します』

さらには施設の外部評価というイベントと重なってしまいました。外部評価とは介護福祉に詳しい一人者が施設を訪ね、利用者と同じ生活をして施設の取り組みを見るという取り組みで事業所は年一度受けねばなりません。

実地指導は指定更新が控えている事業所に対して必ず行われます。行政も一年の予定をガチガチに決めていますので変更は不可能です。

よりによって厄介なイベントが同時期に重なってしまい、逃げ場もありません。

夢見る夢子は『役場の方がくるからレクをして楽しい事業所ということを見せましょう!』とアホがアホなりに考えたしょうもない浅知恵をアピールします。

役場の人間は法令を遵守しているかどうかしか興味がありません。指導と言っても人数には限りがあるのですから、よーシャンシャン。で終わらせればいいのです。理屈から言えば毎日やるべきことしていれば突っ込まれることはありません。むしろ少しミスをわざと作って突っ込まれるくらいにしていた方がいいのです。あの人らはわざわざ来て指導してくれるからですね。立場的にはガチガチの上下関係で悩んでいる役人です。それをくすぐってやればいいのです。

さてまずやることは紙の資料揃えることです。連日残業です。

向谷は何も資料を残してないしパソコンも使えなかったので過去の資料なんかどこにもありません。それを作成してファイリングしてという仕事が加わりました。向谷はホントにケアマネだったのでしょうか。ここまで仕事のできない人間は初めて見ました。なのに退職金がわりに200万も盗んでいくのです。こりゃマジメにやってる奴はバカを見ます。

しかし、向谷が無茶苦茶にして仕事もしていない尻拭いをさせられて、当人は100万近い大金をせしめてウハウハと考えると不愉快極まりないです。

そんなこんなで監査です。県から職員が視察に来てきます。アホの夢子は『カラオケ借りてきて』と楽しい施設をアピールしたいので朝からしつこく本隊にカラオケ器具借りてきてくれとねだってきます。うるさい向こうに行けと言うたらなんとカッターナイフで首筋を切りつけ狂言自殺し出す有様。アホの狂言に付き合う暇はありません。勝手に死ね!と言い捨て県の職員を迎えました。夢子ちゃんは引きつけを起こしてましたが死ぬなら勝手にしてくれ。というのがホントでした。

監査の感想でしたが、ホントにお手盛りだったなぁ、と。あっさり午前中で終わってしまい、ホントのヨーシャンシャン。だったなぁ、と。

行政も指定して許可出したところが意図的に不正をしていたなんてメンツが許しません。
建前でも目は光らせているというアピールでしかありません。
県は前任管理者が蒸発して私が一人でてんやわんやして施設を運営していたのはわかっていたようでお目溢しはなかったですが一人で大変やったですね。とお言葉をいただきました。
役人は昼前に帰りました。どうせ町役人から接待受けて帰るのでしょう。夢子ちゃんはまだ狂言自殺をしていました。仕事もしないで呑気なもんです。

県からの指摘は個人情報保護の観点から戸付きの棚を買え、衛生管理の観点からペーパータオルホルダーをつけるようにと言われました。そこで暗躍したのは詐欺師の龍一でした。買い付けた棚にペーパータオルホルダーも取り付けの工賃込みで75万円!家を建てるんじゃないかという金額ですが、実際には10万円もかかってないし、取り付けには私も駆り出されました。設置のお金についてはかかっていないです。
しかし60万という大金をどこにやってしまったのか。詐欺師のやることはアバンギャルドすぎます。

さて、もう一つの外部評価ですが、ここでも詐欺師が暗躍します

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