東方Project二次創作作品 家族になろうよ 10
その夜。咲夜は日課の館内見回りを行っていた。だがいつもとルートが異なる。
魔理沙が教えてくれた方法は至極簡単なことだった。問題はそれを入手する方法だ。
(ここを抜けるとなると、アレしかないか)
彼女が意を決して立ったのは地下にあるとあるドアの前。鉄製で悪魔の顔があちらこちらに彫られていて実に気味が悪い。やや重たいが女性一人でも開けれないものではない。問題は加えて付けられているセキュリティーだ。
(流石にパチュリー様の魔力ね。ドアに触る前に気付かれそう)
この先には彼女の研究用アイテムが多数置かれている。中には非常に危険な物もあるためにパチュリーが防犯目的で防壁魔法を掛けているのだ。なお、詳しくは聞いていないが魔法を切らずにドアに触れると一瞬で丸焦げになるらしい。そのため普段は屋敷の者ですら近づくことは禁止されている。
(目的のアイテムの場所はある程度絞れた。あとはあの力がしっかりと効くかどうか。行くわよ、咲夜)
己を鼓舞し、彼女は時を止めた。彼女の能力【時を止める程度の能力】だ。一見無敵に思えるこの能力にも一つ弱点がある。
それは『時を止めた空間の中で自身が触ったものは時が動き出す』という仕様だ。これが無いと彼女自身も動けなくなってしまう。そのため、ドアを触った瞬間に罠に掛かってしまうことになる。
そして彼女は考え、もう一つある能力を開花させた。それが【時の流れを止める程度の能力】である。これは物理的対象とは別の魔力や妖力の流れを止める=機能を止める能力だ。
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