東方Project二次創作作品 家族になろうよ 14
まずは仕掛けた張本人であるパチュリーが異変に気づき、その後電撃を受けて出た彼女の悲鳴によって他のメンバーも異変に気付く。
「パチェ! あの悲鳴は!?」
「それもだけど、私の保管庫の封印が上手く機能してないの」
長く、赤い絨毯が敷かれた廊下で二人がかち合う。お互いに向かう方向は同じで並走しつつ情報交換を行う。
「保管庫ってパチェの研究アイテムがあるあそこ?」
「ええ。そして犯人は罠に引っかかったかして私の電撃を受けたみたい。流石に生死までは分からないけど」
「というかあの悲鳴、咲夜だった気がするの。今この場にも居ないし、もしかしてあの子…」
「…どちらにせよ美鈴・こあ・ここあを第一種戦闘配置で展開するよう連絡しておくわ」
「フランにも連絡をお願い」
「あの子の力も必要になると?」
「運命は見えてないけど、これは勘よ」
「まるで霊夢みたいね。分かった、連絡しておく」
淡々と話すレミリアだが内心は不安で掻き乱されていた。非常事態には真っ先に来る咲夜が来ない上、先程の声は彼女のもので間違いない。毎日聞いてきた声だ、聞き間違えることはない。パチュリーが濁したのも咲夜のものだと分かっていても信じたくなかったからだろう。
そして悲鳴の後から感じる波動…自分と同じ筋のものだ。いや、全く同じと言っても差し支えない。そして彼女はかつてパチュリーの頼みで自身の血液を提供したことを覚えていた。
(もしもあの子が噛まれる以外の方法を見つけて飲んだとすると…私はどうすればいいの…)
内心は激しく動揺しつつも、パチュリーのいる手前極めて冷静な様子で目的地へ向かった。
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