東方project二次創作作品 家族になろうよ 12

 時を戻そう。それは魔理沙が咲夜にこのことを伝えたところまで。
 「お嬢様の血?」
 「そう、吸血鬼は相手の血を吸うとその人間を眷属化できるって言われてるが実は違う。実際はあの犬歯の先から自分の血を相手の体内に流し込み、内部で血液を書き換えてるんだ。血を吸うのはついでだったり食事だったりが多いぜ」
 「なら、その血を飲むことができれば私も吸血鬼になれるの?」
 「なれる。が、そのままじゃまず無理だ。実は片方の犬歯からは血液を流し込んてるが、もう片方からは暴走を抑えるための鎮静剤のようなものを流し込んてるんだ」
 「暴走?」
 「まあ吸血鬼を安易に増やさないためだろうな。血液だけだと突然身につけた力に全て引っ張られて化け物になっちまう」
 「じゃあ無理じゃない」
 「しかし元々適合能力がある者が飲めばそこをパスできるんだ。まあ誰彼いけるって訳じゃないがな」
 「つまり、大博打を張れと?」
 「そうだ。他にも方法はあるが最短かつ最も難易度の低いのはソレだ。何よりレミリアと同じ種族になれるのはデカいと思うぜ」
 「難易度が低いとは言ったけど、お嬢様の血なんかそう簡単に手に入らないわ」
 「それがあるんだよ、あの紅魔館に。お前も普段は近寄らない地下の開かずの間があるだろ? あそこはパチュリーの研究道具の保管庫になってるんだ。そこに以前採取したレミリアの血が保管されてるんだぜ」
 「なんで貴方がそんなことを知ってるの?」
 「前にパチュリーと飲んでたときにポロッと言いこぼしたのを聞いたんだ。泥酔してたから嘘じゃないと思うぜ」
 「…分かった。ありがとう」
 「健闘を祈るぜ」

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