見出し画像

かわいい父と激しい母と私の介護日記(22)

せん妄が出た!

退院後の父は、また尿路感染で発熱した。抗生物質を入れて入院は免れたが、ベッドから起きられない日が多くなった。

すると、父に幻覚や幻聴の症状が出始めた。せん妄だ。自宅にいるのにナゼ?

初めは虫がいる!から始まり、そのうち
ハトが5羽、天井に穴を開けて出入りするという、さすがのカワイイ幻覚を面白がっていた私と母。

ところがそのうち、仕事に行かなきゃとか、車のエンジン止め忘れた!とベッドから降りてしまうように。そうなると····ベッドへ戻れない。

床から自力で立ち上がれない。重くて私と母では、なかなか起こせない。ベッドへ上げるのもチカラが足りない。
本人はせん妄中なので「早くベッドに寝かせてよ。はい、イチにいサン!」とか勝手なことを言って、母を怒らせる。

一度はへんな体制で、ベッド下に降りてしまい、どうしても母と私ではベッドに上げられない。
「あーもう無理だよ。重くて上がらない。ケアマネに連絡しよう。」と私。
母が電話をかけに部屋を出て行く姿を見て、父が「あっお相撲さんだ!すみませ〜ん。助けて下さ〜い!あぁ行っちゃった。」と騒ぐ。
後ろ姿の母がお相撲さんに見えているらしい。
私は横で笑い転げる。状況は最悪なのに面白すぎ!

ケアマネさんがすぐに来てくれるとの事。ありがたいけど、どうしよう。父のケアマネさん体格の大きな方なのだ。
父がまた「お相撲さん来た!」とか言っちゃったらどうしよう。

私の心配をよそに、父は到着したケアマネさんに、「悪いねぇ。ご苦労さまです。ありがとう。」としっかりお礼を言う。
家族以外には、おかしな様子が出ないのだ。せん妄?認知?不思議で仕方ない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?