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同人誌の感想を26000字書いて本にした

このnoteはただの奇行日記です。感想の書き方、同人誌の作り方は書いていません。愉快なやつもいるんやな〜と笑っていただけたらまあまあ嬉しいです。


■挨拶

初めましての方は初めまして、そうでない方はこんにちは。私は伊庭と申します。小説は書けません。

小説書けないのになんで文庫本作ったの? というと、タイトルにある通り、同人誌の感想を約26000字書いて本にしました。

合計26000字。1年間で5〜6回くらい感想を送りました。このうち7000字くらいは、送らなかった独り言。

……狂気!(装甲明朝50pt)


■登場人物

・伊庭
わたし。インターネットお絵描きマン。作品の感想をいろんな人に送る。たまに長文感想やファンアートをDMで送る。

・Aさん
装丁の凝った同人小説をたくさん作る。フォントと装丁にめちゃくちゃ詳しい。デザインもすごい。レインボーペーパーに色々な加工をするのが好き。

・フォロワー
伊庭のフォロワー。元気で面白い。BIGLOVE。


■感想を送りまくった

最初は短い感想だった。

pixivで再録されていた〇〇という小説を読ませていただきました。
わたしは春から夏に変わるときのあたたかく、爽やかで眩しい雰囲気が好きなのですが、この小説からはそれが感じられてとても好きだなあ…と思いました。この小説を読めてよかったです。
普段小説を読むことがないのでどう表現すればいいかよく分からず…なんだか具体的な感想じゃなくて申し訳ありません。

(そんなに短くないな……)
どのシーンが好き〜とか、キャラについて〜とか、一切言及せずに情景描写について好きと言っている。しかも最後に謎に謝っている。小説を普段読まないから感想の方向性が分からなかった。まあ、言い訳である。

これに「いただける感想はどんなものでも嬉しい」という言葉を頂いた。どんなものでもかぁ! 語彙力無いけど送ってよかった! と安心した記憶が強い。
このあとAさんの御本をお迎えして素晴らしいお話に感動し号泣しながら、何千字も感想を書いた。

全部晒すわけにはいかないのでどんなことを書いたのかざっくり。

・どうしてこの作品を読もうと思ったのか
・作品を読んでいて思い浮かんだ曲
・キャラの表情が印象的だったシーン
・あとがきに記載されていたイメソンが内容にぴったりなこと
・このあとに重要なシーンが来る! と気づいて緊張した瞬間のこと
・好きな会話のシーン
・誰かに贈った作品だったのかな? と感じた作品があったこと
・タイトルがおしゃれで好き
・表紙のデザインについて
・話の展開がしんどかったこと
・そもそも原作の世界観がやばいこと
・過去の自分の体験を思い出すシーンがあったこと
・作中に出てくる料理が美味しそう
・泣きすぎた(なぜ泣いたのか)
・作品の一番最初の文章が印象的

など。
作品がたくさんあるから作品ごとに感想を書くと文字数がえらいことになる。でも思ったことを全部言いたい性分で……。だって全部が面白いから。なんでこんなに面白いと感じたのかをひたすら考えて書き殴った。

情緒が狂う・(語彙力)・解釈の一致・最高・尊い・好き
このあたりの単語を避けて文章を考えた。
なんか軽いというか……この方の小説を尊い🙏という言葉で済ませたくなかったから。”なにに”情緒が狂ったのか、”なにが”尊いと思ったのか。オタク用語に逃げずに出来るだけ自分の言葉で伝えたい。
あと、「狂った」「ヤバい」「死にそう」のようなネガティブな意味を持つ単語は避けた。(これは普段の発言でも控えている)

今、感想を読み返してみると文章が全くまとまってなくてめちゃくちゃ。でもとにかくめっちゃ楽しそうなのは伝わってくる、って感じ。そんなんでいいと思う。そんなんしか書けないし! 仕方ない!!

ちなみに6万字の作品に3000字、13万字の再録集に8000字の感想を書いた。
マシュマロ何個も送るの面倒だし、やべーやつの感想がマシュマロの履歴にいくつも残るのもアレだったのでDMで送りました。いや、どこから送ってもやべーやつだけど。


■感想を送る以外にやった奇行

・御本を読んだ直後に混乱しながらたくさんツイートしたので、全部スクショして1枚にまとめて送った
・描写のないシーン(未来)のファンアートを描いた
・作中に出てくる飲み物にハマって一時期狂ったように飲みまくった
・イメージソングを夜中に聴いてすげー泣いた

これ沼にハマったオタクじゃん!!!
Aさんの作品沼にハマったオタク!!


■感想をたくさん送ったときの感情

感想を送ると書き手のモチベになるとか言うけど、ここまでドハマりして大量に感想を送ってしまうとこちらも「一方的に感情ぶつけすぎて迷惑だと思われてそう」「書き手は特定の人の感想を拒否しにくいかな……」「若い女のコに話しかけるオジサンって、こんな感じなのかも……ナンチャッテ😅」みたいな気持ちに途中からなった。急にオジサンすな。

おそらく感想を送る人って「書き手に喜んでほしい・書き手のモチベを上げたい・また御本を作ってほしい・また作品をかいてほしい・続きが読みたい・応援したい」みたいな好意や善意の気持ちで感想を送っていると思うんだけど、私の場合は「すげー好きだから語りました、オタクの悲鳴は鮮度が命。送っておきます、読まなくても構いません」みたいな……。
同人誌を作るのも自己満足だけど、感想を送るのもまた自己満足だなぁ……と感じた。
(送った感想と同じくらいの熱量でお返事を頂いているから、多分、迷惑ではなかった、はず。)

お返事で「実は執筆時こういうことを考えていた」「この作品はこういうことがあってその時書いた話」「この部分はあえて設定を決めていない」というようなことをたくさんお話していただけて、作品について+‪αで情報を得られてめちゃめちゃ興奮した。
文末にお返事は不要ですとは書いたけど、こういった話が聞けると超嬉しい。その情報でご飯10杯くらい食えるぜ〜!!!

ちなみにAさんは御本のあとがきにはマシュマロやお題箱やprivatterのメッセージボックスのQRコード、TwitterにはそれらのURLをまとめて固定ツイートに設定していて送りやすかった。探す手間がなくて楽だった。
今思うと色んなのめっちゃ置いてるな!? すごくいいと思う……。感想欲しい! って全力でアピールしてる人のほうが送りやすい。露骨にアピって。

ちなみに私は送りやすい送りにくい関係なく、送りたかったら送る。とにかくめっちゃよかった! ってことを伝えたいので……。
(当たり前だけど感想いらないって言ってたら絶対送りません。相手に迷惑かけたらあかん)


■感想を本にしよう

・熱中したことは形にして残しておきたい
・装丁にこだわった本を見て興味が湧いた
・(昔から)同人誌を作ってみたかった
・A6サイズの同人誌かわいい
・Wordがあれば入稿データが作れることを知った
・感想文が合計10000字を超えたあたりで、これ本に出来るのでは……と思った

フォロワー「伊庭さん小説本作るんですか!?!?」
伊庭(私)「10000字あれば本は作れますか!?!?」
フォロワー「作れます!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

背中を全力で押され、作ろうと決心しました。
フォロワー本当にありがとう。このやり取りがなかったらマジで作らなかったと思います。


■最初に決めたこと

・印刷所
プリントオン様。Aさんが愛用している印刷所
・本のサイズ
文庫本(A6サイズ)。せっかくだし分厚い本にしたい
・使う用紙
Aさんがレインボーペーパー推しだからそれに近いもの。調べたらレインボーっぽい偏光の用紙を発見
・口絵を入れる
ファンアートを描いたから口絵として入れたい
・感想文+頂いたお返事も載せたい
連絡して許可をいただきました

入稿データを作っている時間、すげー楽しかった。そもそもパソコンを触るのが好きなほうだからWordとはすぐ仲良くなった。
Aさんの御本や商業本を参考にしながらフォントサイズや行間、余白を調整。目次、あとがき、奥付ページも作った。
よく分からなかったのはページ番号。ページ区切り機能を使ったからだと思うけど途中から番号がおかしくなった。まあでもなんとかなった(脳筋)
表紙のデザインはAzpaiter2とCLIP STUDIO PAINTで作った。CMYKに変換してみたら色味すげー死んだからRGB印刷にしようと思った。


■そんなこんなで入稿した

印刷所:プリントオン株式会社
セット:ホワイトホログラムセット
サイズ:文庫本(A6)サイズ
頁数 :92ページ
文字数:約33,000字
背幅 :4mm
印刷 :フルカラーRGB+白印刷
表紙 :ホワイトホロペーパー180kg オーロラ
本文紙:淡クリームキンマリ72.5kg
口絵 :フルカラーRGB口絵 グロスファインペーパー
遊び紙:トレーシングペーパー星くずし白

☆92ページ​ってなんやねん───────!

初めての同人誌、情報量多め。
ありがとうマイブックキャンペーン。(プリントオンさんの1冊だけ作れる期間限定のキャンペーン。2021年11月末に終了した)

小説書けないのに文庫本……作っちゃったよ〜!!


■本が届いた

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↑これはあとがき。御本人に送った文章ではない。

ウォオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

本だーーーーーーーーーーーー‼️‼️⁉️
マジで本だーーーーー〜〜〜‼️‼️‼️(大興奮)
同人誌ィーーーーーーーーーーッッッ‼️

ンヤダァ〜〜〜かわいい!かわいいンンッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!ヤッターーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!

かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい!!!!!!ンホホホオオオォォwwwwwwwwwww

\パン/ ヨッシャwwwキタァァァァァァァアアアアアwwwwwwwwwww(高い声で)ウワヤッタァァァァァァアアアアアア

初の同人誌、愛おしい………………。

本文3行目から誤字ってる!!
まあそういうこともあるよね。人間だもの。
ン゛悔しいッッッッッゥッッッッッッッゥッッ


世の中の文字書きさんがどうやって本を作っているのかが分かってとてもよかった。原稿に追われることなく美味しいところだけ体験した形ではあるが……。

本が届いたときの喜び、とにかくすごい。
同人誌作る人ってみんなこの喜びを体験してるのか。

もしこれが自分の作品が載っている本だったら、もう、本当にたくさんの人に見てもらいたいし、読んでほしいし、読んだ人みんなに大切にしてほしい……ってなる。すごい。愛おしい。
今持っている同人誌、大切にしようと心から思った。


■まとめ

こんなこと言っても説得力が無いとは思うけど、感想は「文字数が多い=良い」ではない。感想に良いも悪いもない。

「好きです」の一言があれば、マジで十分だ。

私もSNSに絵を投げる立場上、なんらかの反応や感想を頂いたことは何度もあるけど、「好き〜!RT」のツイートだけで十分嬉しい。
8000字の感想文をDMで送られてきたら正直怖い。怖くね? 私だったらめっちゃビビる。

好きですの一言だけでも伝えたほうがいい。当たり前だが、言葉にしなければその気持ちは伝わらない。

言う勇気が無くて……という人もほんと、このnoteをここまで読んでくれたなら、送ってほしい。私なんて26000字も感想文送ってるし、ファンアートも描いて送ったし、BOOTHに在庫なしって書いてるのに一冊でも余っていませんか? と直接連絡した。(これに関してはさすがにしつこかったと思う)
でも、このくらい積極的でもいいのではないだろうか。

これは違う方への感想だけど、5年前に読んだ作品の感想をつい最近送った。遅いなんてことは絶対にない。
”今は違うジャンルに移動してるから……”とか、関係ない。そんなもん知らーん!! 読んだこっちは今が旬ジャンルなんだから。「〇年前の作品ですが、素敵な御本を作ってくださりありがとうございました!🙏 」でいいだろう。
「いや大昔の本に感想とか気まずい💦」みたいなリアクションがもし来ても、まあ仕方ない。考え方は人それぞれだし、感想送ったこちらも自己満足で送ったから。

それと、感想を送らない人を責める意図はない。伝えなくてももちろん良い。私だって見たもの全てになにかしら言ってるわけじゃない。好きだなぁと思ったものだけに反応して、いいねやRTだけで終わらせたくない作品にだけ感想を伝えている。仕方ない、こちらも人間だから時間の余裕がないとき仕事がうまくいかないとき気分が乗らないとき体調が悪いとき低気圧のとき、いろいろある。あと自分が創作活動をしていると、他の方の作品を見る余裕もなくなる。 感想を送ることに義務感を持てば一気にダルくなることもある。まあ〜人間そんなもんよ……! そのへんは都合よく、自分が楽なやり方で適当にやろう!


■長文感想をよく送るオタクへ

感想まとめて本にしよう!!!!!!!!!!!
レッツ狂気!!!!!!!!!!!!!!!!!

ちなみにいろいろ調べたら分かると思うが、2000〜3000字くらいあれば文庫本サイズのペラペラの同人小説本は作れるぜ。

プリントオンさんなら、最低12ページから同人誌が作れる。このうち表紙に4ページ使う。ということは本文は8ページあればいい。注意書き、あとがき、奥付で3ページ使える。じゃあ5ページ分の文章があればいい。
私の場合、文庫本A6サイズで14行×42字だったから1ページに588字。588字×5ページで2940字だ。
どうかな? 思ったより少ない文字数で本作れるじゃん……ってならない? 3000字くらいの感想……書いたことあるやろ? それ、本にしないか?

ということで細かいことは各自調べて頑張って!!!(ぶん投げ)

(あともし万が一、Aさん御本人がこのnoteを読んでいても特にリアクションとか必要ありませんので……。またこいつ自語りしてんな〜と適当にスルーしていただいて大丈夫です。)

以上! 同人誌の感想26000字書いて本にしたオタクのnoteでした。読んでくれてサンキュー!

〜終〜