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カツオのなまぶし

生節と書いて、なまぶし。
それは、どうやら、この辺の人々のソウルフードみたいだ。

都会から地方の町へ引っ越してくると、ローカルな人々との間にちょっとした緊張感を感じることもある。
このヨソモノは、付き合っても大丈夫な奴だろうか?
そんな品定めの視線を投げかけられているように思うのだ。
そんな頃に、ちょっとした雑談の中で、ダントツに心象がよかった話題。
それが、なまぶしだった。

地元民に聞け!

熊野に限らず、海の近く、カツオがあがるところでは、よく食べられているみたい。
私も熊野へ来るたびに、お土産屋さんで見かけてはいた。
でも、食べ方もわからないし、なんとなく手にするきっかけが無かった。
スーパーになまぶしコーナーがあるくらいだから、きっと人気なんだろう。
みんな、これをどうやって食べてるんだろう???

「やっぱり、〇〇さんも、なまぶし、お好きなんですか?」
そう尋ねてみると、ぱぁっと破顔する地元民たち。
にっこり笑って「大好き!」と答えてくれたら、それが会話の糸口。
同僚、ご近所さん、いろんな人たちにオススメの食べ方を聞いてみた。

オススメ なまぶしレシピ 5選

①定番、マヨネーズ和え
私が聞いた中では、おそらくこれが1番人気。玉ねぎのスライスと一緒にする人が多い。
マヨネーズとポン酢で、マヨポン和えなんかもおすすめらしい。
(アンチ・マヨネーズ人間な私には、真似はできないのだけど……)

②お酒のおつまみには、塩昆布&ごま油和え
お酒好きな人に教えてもらったので、絶対おいしいはず。
スライスしたなまぶしに、ネギやシソなどお好みの薬味と塩昆布を投入。
そして、ごま油で和えて、おつまみにすると良いらしい。
味を想像するだけで、帰り道、酒屋さんに寄りたくなっちゃう。

③少し趣向を変えて、トマトソースパスタ
ツナのトマトソースと同じように考えればいいみたい。
パスタはカロリーが気になるけど、なまぶしみたいに、具材がヘルシーなのはありがたい。
オリーブオイルとの相性も良さそうだ。

④アジア風つまみなら、パクチー&ナンプラー和え
泊まると旬の野菜とお米のセットが付いてくる、農家民宿「雨宿り」さんの新鮮なパクチーに触発された、旅仲間が考案。

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余談だけど、雨宿りさんは、ナンプラーと豆板醤と鶏ガラスープが置いてあるところに、オーナーさんのお料理愛の深さがうかがえるゲストハウス。
魅惑の野菜たちとラブラブ状態の友人は、ナンプラーを見て大喜び。なまぶしとパクチーを刻んで、ナンプラーとごま油少々と和えてくれたのでした。
これは、ホント美味しかった!

⑤ご飯のおかずに、なまぶし入りのしりしり
ドキドキしながら、自分で初挑戦してみたのが、しりしり。
千切りの人参と刻んだなまぶしを炒め、塩とめんつゆとみりんで味付け。
火の通り具合はお好みで、最後に投入した黄色い卵が全体にまぶされたら出来上がり。
なまぶしと鰹出汁のめんつゆの相性、そして、卵のまろやかさ。
ご飯が進みます。お弁当のおかずにもよかった!

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他にも、いろんなレシピができそうな、なまぶし。
たぶん、ポイントは、ごま油やチーズなどで風味やしっとり食感を加えてあげること。(マヨネーズで、とは言いたくないの……)
缶詰のツナと同じように使えて、かつ、魚の風味が強く、出汁にもなるので、アレンジの幅はかなり広い。

今日も、感謝と幸せを込めて、〆の言葉を紡いでいこう。
海の幸を獲ってきてくださる漁業関係の皆さま。
茹でて焼いて、香ばしく加工して下さる皆さま。
そして、イチオシの食べ方を教えてくれた熊野の人々。
おかげさまで、食べびとの世界がまたひとつ広がっていきます。
「ごちそうさまでした!」

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