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私のカラダは貴方のモノですか?

私は小学5年生の時に初めて性教育を受けました。

当時の先生が受精のことを当たり前のように「卵子と精子が〜」と話し始めた時、セックスを知らなかった私は何をどうしたら女性の体内で卵子と精子が合流できるんだろう、なんて首を傾げた事を今でもよく覚えています。(植物のおしべとめしべみたいな?)

その日はクラスが二つに分かれ、男子は男性の先生と、女子は女性の先生と、性について諸々話しました。

男子はどの様な話をしていたのかは分かりませんが、私は生理について知った時、血が一週間も出るなんて気持ち悪いな、と思ったり、先生が初めてナプキンを使った時は表裏を間違えて接着面を表に貼り、陰毛を全部抜いてしまったという痛いエピソードに爆笑したり、いつかは胸が大きくなる事に期待を寄せていました。先生は私たちの疑問一つひとつに丁寧に向き合い、とてもフランクに話してくれました。

それでもまだ知れなかったことはたくさんありました。性的同意については一切触れなかったし、セックス=子どもをつくるために男と女がする事という固定概念(heteronormativity)を推奨していた授業でした。

日本での法的性的同意年齢は13歳です。

つまり、それまでには国民全員が性的同意という概念を理解する必要が有り、それなりのレベルの性教育が求められます。今の日本の性的同意年齢が低すぎることはさておき、性教育の現状と向き合ってみると理想の形からはよほど遠いことが分かります。

日本では性自体がとてもタブーとして扱われる思考を初め、正しい情報提供を安全に、安心して学べる環境も整っていません。NPO法人ピルコンの実施した性知識調査によると、高校生の性や避妊法などについての正解率は約3割でした。それでも法的には性的同意年齢を満たしています。

そしてCOVID19の影響が続く今、“予期せぬ妊娠”に対する不安が広がりつつあり、特に緊急避妊薬の入手法が社会的に注目を浴びています。現在は緊急避妊薬は処方箋が無いと購入できず、6千円~2万円で保険も効かないということも有り、非常に手が届きにくい薬です。(緊急の意味とは…)このため、#緊急避妊薬を薬局で というムーブメントも起きています。

そんな中でTwitterで炎上した日本産婦人科医会副会長のコメント

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社会の一員として、この発言についてどう思いますか?

正しい性教育を受けないといけないのは「若い女性」だけなんでしょうか。(私のおしべとめしべの発想じゃないけど妊娠は一人でできることではありません)

「教育してあげられる」という上から目線のトーンにも納得できず、明らかに女性のせいだと押し付け、妊娠する可能性が有る女性の状況やニーズを一切分かっていない100%無責任な発言にがっかりしています。

また、なぜ緊急避妊薬が睡眠薬や風邪薬のような薬とは違う取り扱いをされているのかご存知でしょうか?

緊急避妊薬は女性が女性の体を自分で管理する一種の「力」になるからです。

女性が体の決定権を得るための初めの一歩となります。

女性は男性よりも立場が低いことを前提として成り立っている日本社会にとって、女性の自由(bodily autonomy)は存在してはいけない物です。

妊娠をする可能性が1ミリもない男性が女性の体の意思決定を操っている日本という国。

私はこんな国に住んでいます。

今年23歳になった今、

この国では私のカラダは私のモノではないようです。


Inspired by a conversation between two brilliant minds- Kazuna Yamamoto and Kazuko Fukuda


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