フルフレックスの功罪



朝8時15分。
私は今、頭をフル回転させている。

いきなり何のことかと思われてしまうので、いったん時を止めて少し前置きを挟ませてもらう。

私の勤める会社はいわゆるフルフレックスというやつで、月の中の所定労働時間を満たしていれば、基本はどのような時間帯に働いても良いということになっている。(流石に無断で休日働いたら怒られるが)

そんなわけで、始業時間というものがない。ただの遅刻というものはなく、たとえば打ち合わせに遅れるといったことが遅刻になる。

それも基本的にはお客さんのところに直接出向くといった業務以外は、基本PC一台あればどこでも出来てしまうので、極端な話打ち合わせの1分前まで寝てても直前でリモート会議に入れば問題はない。


ここだけ聞くと、そういったことは出来ない中で働いている方々の反感を買いそうな感じであるが、勿論大変なこともある。


奥さんは変わらず、原則毎日会社に行き、9時には始業しなくてはいけない。そのためには家を出なくてはいけないデッドラインが存在する。

しかし奥さんはいつもギリギリまで寝ており、家を出るのもギリギリだ。

奥さんが起きる30分ほど前に起きた私は、2人分のお弁当を作り、奥さんを起こしたものの、時間は無情に過ぎていく。

そして今日は出なきゃいけないデッドラインを5分も過ぎてしまった。このままではいつもの電車には間に合いそうにない。

今日は午前中はどうしても会社で出なくてはいけない会議は無かったが、昼前には出社したい日だった。9時前に自分も家を出られれば、問題ない。

よし。私は5秒で着替え、家を出た。
階段を駆け下り、駅へ向かって駆け出す。

30秒ほど経って、自転車に乗った奥さんが家から出てきた。

私はここから更にギアを上げる。とはいえ、800m近い距離を全速力で走り切ることは不可能なので、長距離の最後の方の感覚か。

さすがに追いつかれる。私は空気抵抗を減らすために、後ろにピタッと張り付く。昨年の箱根駅伝の青山学院のように。

5分後、駅に着く。自転車を受け取り、見送って時計を確認。なんとか間に合った。

すぐに自転車で自宅に戻り、着替えて準備をして9時前に家を出ることができた。

職場まで2時間弱かかってしまうため、当然電車の中もオフィスだ。スマホでのメールチェックや連絡対応はもちろん、最近は上司の影響を受けて画面保護シートを付けたPCを起動して資料作成も辞さない。

職場を出る時間も自由だ。その代わりPCはいつでも開ける。いつだってどこだって職場だ。


どうだろう、あなたはそれでもフルフレックスが羨ましいと思うだろうか。

おわりに


今週?は生糸が担当しました。

なんかフルフレックスのネガティブな側面のみ強調してしまいましたが、もちろん良いなと思うところもあります。ある程度ルールを決めて柔軟に働ける仕事であることも大きいです。

結局は隣の芝が青く見えてしまうだけなんですね。

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人間関係苦手、将来不安、でも野心はどこかにある…そんな思春期(Adolescent)の側面を持ちながら年齢だけを重ねた「おリン」と「生糸」がPodcast番組をお届けするスタジオ(Studio)、それがADOLESTUDIO、そういう感じです。

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次回はおリンが担当の予定です。お楽しみに…!

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