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その場所では咲けません。

「置かれた場所で咲きなさい」

いっときは、よく持て囃された言葉だ。

僕も、この言葉を信じていた時期があった。

だが、ある時に気づいた。

「もし、そこに『置かれざるを得ない』人がいるとしたら...」

自分が望む人生、自分が望む物語。
それは必ずしもその通りにならないこと、いい歳をした人間なら誰しも一度は、肌感覚で理解していたはずだ。

ではなぜ、置かれた場所で咲かなかればならないのだろうか?

僕は結局、弱者への欺瞞、綺麗事でしかないと思う。

置かれた場所で咲く。

それは簡単なことじゃない。

自分が望んだ方向に人生が進むなら、そもそも咲くべき場所は自分で置けるはずだ。

だから、「置かれた場所」というのは、所詮は弱者の立場を表現しているのに過ぎないと思う。

そんな弱者に対して掛けられる言葉が、「置かれた場所で咲きなさい」である。

お前は一体、何様なんだ?

と、正直思ってしまう。

「咲きなさい」と言われて咲けるなら、苦労はしない。

本当の問題は、そこじゃない。

「置かれた場所を変えるには?」


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