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考察の二面性

はじめに

こんにちは。

アニメを観て、「考察」をする人ってよくいますよね。
僕も、よく考察をしてます。
虹アニメとか。

で、考察って一口に言っても、二つの意味合いがあるんじゃないかと思うんですよ。
ただ「考察」をするにしても、それが例えば「アニメ」という物語にとってどういう意味を持つのか?
そういうのって、意外と考えたことがなくて。
なので、今回はそれについて考えてみます。

物語の輪郭を「拡張」する

考察とは、一つは「物語の輪郭を拡張する」行為だと思います。
例えば、アニメを観ていたら色々な要素が登場しますよね。
登場人物同士のやり取り、登場人物とモノとの出逢い、など。

そういうものを見て、「この出来事には実はこういう裏があるんじゃないか?」とか、「この出来事はこういう意味があるんじゃないか?」と「考察」をするわけですが、これはアニメという物語の表面をなぞるだけでは見えないような、世界の輪郭を自分の内側に拡げていく行為なんじゃないかと思います。

だから、この考察をするにはまず「物語の輪郭」を自分の中で作っておかないといけない、というのが僕の考え方です。
この物語にはどういう要素があり、展開がなされているのか。
そういう理解が十分になされて初めて、輪郭が自分の中でハッキリとしてくる。

その上で、「じゃあこの出来事は?」「この要素は?」というのを一つ一つ拾って、筋が合うように繋ぎ合わせる。
そうすると、作品が元々意図していなかったような流れまでもが展開されていく。
ある種の二次創作であり、クリエイティブな活動ではないかと思います。

ただ、僕はこの活動にもリスクがあると思っていて、それは「物語の輪郭を崩してしまわないか?」というものです。
考察をするのはいいんだが、それにこだわるあまり、物語が持つ輪郭が崩れていく。
自分の思うがままに考察を展開させていけば、必然的に輪郭はオリジナルとは遠ざかっていってしまう。
そうすると、最早考察ではなくて妄想になってしまうのではないか、と思うのです。
だからこそ、こういう意味合いの考察は注意深く丹念に行わないといけないでしょう。

物語の輪郭と「リンク」させる

僕もnoteでちょこちょこ感想記事をあげていますが、それもある種の考察だな...と思います。
しかし、僕が行う考察とは物語の輪郭を拡張させる行為ではないのかな、と。

じゃあどういうことなのか?というと、物語の輪郭とリンクさせる行為です。
分かりづらいので、もう少し噛み砕いて説明してみます。

この作業には二つのステップがあり、一つ目が「物語の輪郭をハッキリさせること」、二つ目が「その輪郭と自分なりの考え方(思想)をリンクさせる」です。

一つ目は、先ほどの「拡張」と共通しています。
物語の中の要素や出来事を見て、「物語の表面」をまず捉える。
実際に物語の中で起こっていることに注目し、それを写実的に描写するのです。

しかし、先ほどの「拡張」と大きく違うのが二つ目で、僕がよくやるのは、自分なりの考え方と輪郭をリンクさせ、「この物語の言いたいことは何なのか?」をハッキリさせる試みです。

僕が作品に求めるのは何よりもメッセージ性です。
この作品は一体何が言いたいのか?何を僕達に訴えているのか?
そういうのがよく分かる作品が、僕にとって大切な作品であり、心に残る作品になります。
だからこそ、自分の持つ考え方と物語の輪郭を比較したり重ね合わせたりする。

当然、作品の輪郭が全てリンクする訳ではありません。
自分の考えていなかったような考え方に出くわすことだってあるでしょう。
なら、そこで考えてみればいいのです。
自分はそれを見てどう思うのか?と。

そして、そのリンクの触媒となるのが哲学であったり、文化であると思うのです。
自分と作品という別々のものを繋ぎ合わせるために必要なものです。
哲学というのは、世界の解像度を上げる学びです。
人間が行う営みにはどういう裏側があるのか、世界をどうやって観測するのか?という疑問を突き詰めていくことが哲学です。

その哲学は、当然自分の中にもあって、作品の中にもあると思います。
意識していないことでも、意識していることでも、世界を映し出すのには必ず理由がある
そうやって信じていないと、この考察は成立しません。
だから、僕は最初からテーマを設けて、それに沿った考察をしてみたりしています。
その結果、「この作品はこういうことを言いたいのだろう!」と結論づけることで、自分の中でのその作品の意味合いや、立ち位置がハッキリとしてくるのではないかと思うのです。

おわりに

「考察の二面性」について考えてみましたが、いかがでしょうか。
少し難しいというか、正直自分でも落とし込みきれない部分が多く、抽象的な話に終始してしまいました。
しかし、大切な話だと思います。
みなさんも、是非考えてみてください。


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