回想録 4才自分で決めた

冬の池に落ちた後
https://note.com/infortune128/n/n2eb5c41ccede?magazine_key=m36b92df160b6

わたしはもう、早々にいろんなことを諦めて、とにかく大人になろうとした。はやく大人に。はやくはやく。

そして、ものすごく覚えている。

「選択」をした日のこと。その瞬間。

わたしは赤ちゃんの声がわかったし、会話ができた。周りの人の出さない声が聞こえていた。

家のお菓子は押入れの上、みえない場所に置かれていて。そんなこととは関係なく、色もわかるし味もした。

ミルキーの包み紙のピンクと黄色。フルーツキャンディのイチゴ味、リンゴ味、ミカン味、ピーチ味。みえなくてもみえていて、好きなものを取っていた。

あるとき、みんなはそうじゃないことに気がついた。
これは、、、、、、まずい。と思った。

この、背中をつたわる冷たい汗。
この感覚を今もリアルに覚えている。生命の危機を感じた瞬間を。

数日ほど悩んだ後、わたしは自分で「わからなくする」と選んで決めた。

小児科の待合室で。
白い壁に、ベビーベッド。その上に貼ってある「かかりつけ医を持ちましょう」のポスター。それをみながら、そう決めた。

・・・そしたらほんとに「わからなく」なったのだ。わからなくできるんだ。。。って、ちょっとあせった。

自分で望んでそうしたくせに。
えっ??!って思って戸惑った。

ああ、いやだなあ。。。という後ろ髪を引かれるような気持ちもあった。なんとあわれな自己憐憫。でも仕方ないことだった。


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