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    当社では2003年より不定期にメールマガジン「いんふぉるむマガジン」を発行しています。その中で掲載した記事を中心に再編集し、DTPや印刷に関する様々な情報やTips、ミニ知識などをジャンル別にまとめました。

最近の記事

フォントのフォーマットに気をつけよう

OCFからOTFまでDTPでもっとも重要でしかもトラブルも多いのがフォントです。今回は、DTPで使われるフォントの変遷と注意するべき点についてあらためて考えてみましょう。 日本のDTPでは長い間、PostScriptフォントを使うというのが常識になっていました。PostScriptフォントは、Adobe社が開発したフォント形式で、パソコンとプリンタの両方に同じ名前のフォントを入れて使うというのが大きな特徴です。プリンタ用PostScriptフォントは高額で、しかも同じフォン

    • 段落一字下げを考える

      段落の区切り日本語の組版を考える場合、段落をどのように組むかというのはとても重要な要素です。まず第一に、段落の区切り目が一目ですぐに分かるようになっていなければなりません。文章がどこで区切られているかを簡単に識別できるかどうかは、文章の構造を読みながら把握し、文意を正しく理解することにも影響を与えるのです。 では、段落を分かりやすく見せるにはどのような組み方をすればいいのでしょうか。段落の区切り目を表現する場合、まず使われるのは改行です。行を改めることで段落が変わったことを

      • オーバーライドを理解しよう

        マスターオブジェクトのオーバーライドマスターページ(InDesignでは、バージョン2022以降「親ページ」と改称)は、DTPソフトで欠かすことができない機能のひとつです。柱やノンブル、背景の地紋など、複数ページで同じように使われるオブジェクトをひな型のページに配置して管理するというこの仕組みは、共通オブジェクトの配置を自動で正確に行えるというのが最大のメリットです。 マスターページに置かれたオブジェクトは、そのマスターページが適用されたドキュメントページにも、同じ位置、同

        • 表記の論理を整理しよう

          表記法に潜む論理印刷物の読みやすさを考えた場合、文章の表記法が重要な要素になります。同じ印刷物の中で異なる表記ルールが混在しているとよくないのはもちろんですが、別の印刷物であっても言語が同じであれば同じ表記ルールで記述されていたほうが読み手にとってもいいはずです。ところが、言語の表記法というのは法律できちんと定められているわけではなく、慣例的に作り上げられてきたものであるため、一般的な表記法に則っていない独自の表記ルールになっていたり、ルール自体に矛盾があるような印刷物もしば

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          10本

        記事

          デジタル時代の著作権問題

          デジタル時代だからこそクローズアップされる著作権問題世の中がデジタルになってもっとも大きく変わったのは複製が簡単になったということでしょう。今まで、複製物を作るというのは手間もコストもそれなりにかかるものでした。 印刷物の複製という具体的な例で考えてみましょう。これまでは、印刷物を複製するにはコピー機を使って同じように紙の本(綴じるかどうかは別にして)を作る必要がありました。物理的なコピーには結構なコストが掛かるので、一冊丸ごと複製すると結果として本を買うよりも高くつく、とい

          デジタル時代の著作権問題

          画像解像度と線数

          印刷物の品質を決める線数通常の印刷物で写真やグラデーションなどの濃淡のあるオブジェクトを使う場合、あるいは中間濃度の平網を使う場合は、網点を使って濃淡を表現します。最近は網点を使わない「FMスクリーニング」という技術も使われるようになってきており、Fairdotのように、従来の網点を使う方式(AMスクリーニング)とFMスクリーニングを併用する技術も登場していますが、今後も当分は網点による印刷が主流であり続けるでしょう。 網点方式では、色の濃淡を網点のサイズの大小に置き換えて

          画像解像度と線数

          PDFのフォント環境

          フォント埋め込みの重要性DTPでPDFを使うメリットとして、アプリケーションのデータよりも安全な出力が保証されるということがよく挙げられます。実際には、PDFにも色々なデータがあり、必ずしも安全に出力できるとは限りませんが、一般的なDTPデータよりも安全であると言われる根拠の一つが、PDFにフォントを埋め込めるという点です。 DTPが始まったころから今にいたるまで、出力トラブルの多くを占めてきたのがフォントがらみの問題です。DTPの場合、データを制作する環境と出力する環境の

          PDFのフォント環境

          RIP処理とデータの安全性

          RIPでは何が行われているのかDTPに携わる人間であれば、RIP(リップ)という名前をこれまでに聞いたり見たりしたことがあるのではないでしょうか。言うまでもなくRIPはPostScript出力を行うプリンタやイメージセッタ、CTPに備わっている装置です。 ところで、DTP出力にはRIPが必要だということは分かっていても、その中で何が行われているのかまでは知らない人がほとんどではないでしょうか。もちろん、そんなことは知らなくてもきちんとデータが出力できればかまわないわけです。

          RIP処理とデータの安全性

          PDFのオーバープリントに注意

          オーバープリントの乱用は危険InDesignやIllustratorなどのDTPアプリケーションには、オブジェクトに「オーバープリント」という属性を指定する機能が備わっています。オーバープリントは、オブジェクトが重なっている場合に、上のオブジェクトを透かして下のオブジェクトの色も見えるように印刷するというものです。たとえば上のオブジェクトがシアン80%、下のオブジェクトがマゼンタ100%で、上のオブジェクトをオーバープリントに指定すると、重なった部分がC80%M100%の掛け

          PDFのオーバープリントに注意

          組版における行の扱い

          行送りと行間文章を組んでいく際、文字のサイズや書体と同じくらい重要なのが行の間隔です。特に長い文章の場合、行の間隔によって読みやすさが大きく左右されることもあります。 行の間隔を指定する時に使われるのが「行送り」と「行間」です。どちらも同じように行の間隔を指定するものですが、考え方が異なるため同じ間隔であってもそれぞれ数値は違ってきます。 行送りとは、行における基準位置をあらかじめ決め、2行の間での基準位置同士の距離を表したものです。横組みの場合、文字の仮想ボディ(文字が

          組版における行の扱い