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大寒、最後の第72候の末候「鶏とやにつく」に突入!

いよいよ季節は最後の72候を迎えました。春の兆しを感じた鶏が
交尾して小屋で卵を産み落とす。昔はそんなことで最後の大寒の
季節を感じていました。

庭にいる鳥という意味の庭鳥が転じてその名になった鶏ですが、
時を告げる鳥としてかつては神聖視されたものです。
現在ではもっぱら、採卵目的や食肉用として飼われています。

夜明けを知らせる鶏は長い冬の終わりを告げるにはふさわしい動物
だったのでしょう。動植物は人間が感じ取れない季節の機微を感じ
とれます。

厳しい寒さが続く日本ですが、日は徐々に長くなっているのを
感じます。朝の時間に外が明るくなるのが早くなってきています。
また、夕刻どきの明るさが長くなりつつあります。

この候が過ぎれば立春ですが、節分まではいちばん冷え込みが
厳しい時季なので、風邪やインフルエンザなどの感染症に気を
つけなければいけません。気が緩むと血行が悪くなり冷え性の
原因にもなります。

この時期はヒートテックのパッチと腹巻きが欠かせません。
下腹部を冷やすと膀胱炎などを引き起こしますので油断は禁物
です。

腎に陽のエネルギーが不足がちになるので、生きる上でのパワー
不足になります。心にも悪影響を及ぼしますので気を引き締めて
身体を温めなければいけません。薬膳で体を温める腎の働きを
高めていきましょう。

この時季の食薬になり得る食材は、ニンニクです。強力な殺菌作用
のあるアリシンは、感染症から身体を守ります。また、豚肉などの
ビタミンB1と一緒に摂ると高い疲労回復効果が期待できます。
体を温め、血流をアップする効果もあるのでこの時期に食べる最高
の食材の一つです。

また、花椒(ホアジャオ)もしびれるような辛さが腎の働きを高める
効果があります。中国料理、特に麻婆豆腐によく使われる中国の山椒の
仲間です。冷えを防止し、血行が良くなり胃腸を健やかに整え、消化不良
を和らげるスパイスですので積極的に摂りましょう。

季節の果物としては、最も小さな蜜柑で金柑(きんかん)が昔から
喉に良いと言われています。皮まで甘いのでまるごと食べても美味
しいものです。

へたを取って竹串で数カ所刺し、2分ほど煮て、半分の砂糖と水、
少々の酢を入れて、透明になるまで煮れば甘露煮ができあがりです。
金柑の甘露煮は風邪をひいたときには最高です。かんたんに作れる
のでぜひ作ってみてください。

節分までもう少しです。節分を過ぎれば立春で春は間近です。



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