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DDIは本当に必要なのか?次世代ネットワークにDDIが欠かせない10個の理由

皆様、「DDI」(ディー・ディー・アイと読みます)という言葉をご存知ですか?
 
DDIは2019年に調査会社のGartner社が作った用語で、「DNS」「DHCP]「IPAM」の3つのコアネットワークの総称です。
 
単に、DNS、DHCP、IPAMをそれぞれ提供するわけではなく、集中管理、メンテナンス、モニタリングを提供します。それだけに留まらず、DNSとDHCPの相関関係を維持し、どのデバイスがどのIPアドレスを持っているか、そのドメイン名は何であるかを確認することを可能にします。
 
またフォレンジックする際、過去にさかのぼって、そのIPアドレスが不審な行為に関与していたときに誰が使っていたかを発見することもできます。

パブリッククラウドの利用が促進する中でDNS、DHCP、IPAM を統合管理するという考え方の重要性が増しています。
 
本ブログでは、「DDI(DNS、DHCP、IPAMの統合管理)は本当に必要なのか?」という問いに応えていきたいと思います。

答えはもちろん、「YES」です。
 



 

DDIとは


繰り返しですが、「DDI」という言葉は2019年に調査会社Gartner社が作った用語で、DNS、DHCP、IPAMの総称です。DDIソリューションはこれら3つのコアネットワークを集中的かつ自動的に管理するための機能を統合的に提供します。

 
ここで改めて、DNS、DHCP、IPAMそれぞれの役割をおさらいしていきましょう。

DNS(Domain Name System)

  • IPアドレスを人間が読みやすいドメイン名(文字列)に変換(名前解決)するシステム。(インターネット上における電話帳の役割)

  • 名前解決はインターネットアクセス時のはじめに行われる処理。

  • DNSがなければ、デバイスはインターネット上のどのネットワークにも接続できない。


DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)

  • ネットワークに接続するデバイスにIPアドレスを割り当てるサービス。

  • IPアドレスがなければ、デバイスは何とも通信できない。


IPAM(IP Address Management)

  • ネットワーク内のIPアドレスを一元的に管理するシステム。(エージェントレス)

  • IPAMがなければ、ネットワークで使用されるIPアドレススペースの計画、追跡、同期、管理はできない。

 
インターネットをする上で欠かせないコアネットワークであるわけですが、長年にわたり、インフラ担当者は機能ごとに個別のツールを使用していたのが実態です。事実、Tech Targetの調査では、DNS、DHCP、IPAMのポイントソリューションの使用数は、4個から5個と回答した方が37%を占めています。

質問文:あなたの組織では、DNS、DHCP、IPアドレス管理に関して、合計でおよそ何種類のポイントソリューション(ベンダー提供、オープンソース、自社開発など)が使用されていますか?(回答者の割合、N=974、調査期間は2023年12月15日-2024年1月17日まで)


 
しかし現在、迅速なネットワーク変更の必要性と企業ネットワーク上のIPデバイスの数の増加により、DNS、 DHCP、および IP アドレス管理を統合するソリューションである DDI への関心が高まっています。
 
実際、Research and Markets によると、 DDIのマーケットは、2022 年から 2027 年の間に 7億3,059万ドル成長すると予測されており、予測期間中の CAGR は 16.68% で加速すると予測されています。


それでは、なぜDNS、 DHCP、IPAMの統合管理が必要とされるのか見ていきたいと思います。


ハイブリッドクラウド・マルチクラウド時代にDDIが欠かせない理由


DDIソリューションは、パブリック・クラウドに進出するにつれて、さらに重要性を増しています。多くの組織では、オンプレミスのネットワークを運用する担当者は、クラウドで何が起きているのかほとんど把握できていない場合があります。

一方、アプリ開発者は、Route 53やAzure DNSのようなクラウドネイティブが持っているDNSソリューションを使用してワークロードをサポートすることがあります。
 
しかし、クラウドのリソースにアクセスする際の問題や、逆にクラウドのワークロードがオンプレミスのリソースにアクセスする際のトラブルシューティングに頼りにされるのは、ネットワークインフラ部隊であるケースがほとんどです。


 
DDIソリューションは、クラウドで使用されているIPアドレスを確認したり、クラウドにDNSサーバーを導入したり、Route 53やAzure DNSと同期させたりして、ハイパースケース環境であっても、リアルタイムで可視化することができます。
 
また、DDIソリューションは、自動化においても重要な役割を果たします。今日のネットワーク、特にクラウドでは、ビジネスはDNSとDHCPが手動でプロビジョニングしている時間はありません。
VMの作成や破棄、コンテナのスピンアップやスピンダウンごとに、DNSやDHCPのデータを追加したり削除したりするリソースはどの企業にもありません。
 
弊社のDDIソリューションは、DNSとDHCPを迅速、自動、リモートでプロビジョニングできるAPIを提供し、AnsibleやTerraformのような一般的なプロビジョニングと構成管理プラットフォームとの統合もサポートしており、自動化/省力化を実現することができます。

 
 
 

次世代ネットワークにDDIが欠かせない10個の理由


様々なメリットがあるDDIソリューションですが、統合されたエンタープライズ グレードの DDI ソリューションを導入することで企業が優位に立つことができる10 の主な理由をご案内していきます。
 
 

1.集中管理


統合によってDDIを一元管理できるようになり、管理者は単一のコントロールプレーンインターフェイスからオンプレム、プライベート/ハイブリッド、パブリック/マルチクラウドのワークストリームを構成、監視、トラブルシューティングできるようになります。
 

2.可視性とレポート


統合されたDDIを使用することで、組織は豊富なコンテキストデータの統一されたビューを得ることができます。これは、ネットワークの使用状況を監視し、潜在的な問題を特定し、監査、コンプライアンス、パフォーマンス、フォレンジック調査、予測分析用のレポートを生成する上で非常に貴重です。
 

3.IPアドレス割り当ての最適化


統合されたIPAMは、IPアドレスの割り当てをより適切に制御し、利用可能なアドレス空間の効率的な利用を保証します。 この機能は、権威あるIPAMが不可欠な、大規模で複雑なハイブリッドクラウドやマルチクラウドネットワークにおいて特に重要です。

4.一貫性と正確性


1つのサービスで行われた設定は、ネットワーク間で自動的に同期されるため、正確性が保証され、不整合が減少します。
 

5.エラーのリスクを低減


統合されたソリューションは、特にハイブリッドクラウドやマルチクラウド間での複雑さ、手作業によるエラー、設定ミスを減らし、すべてのコンポーネントが最新の情報を持つようにします。
 

6.セキュリティの向上


一元管理により、コンテキストに基づいたDDIデータを活用し、SecOpsの効率を向上させ、より優れたポリシーの実施を可能にすることで、より優れたセキュリティ効果を実現します。 チームは、より多くのケースをトリアージし、脅威とマルウェアの検出を加速し、攻撃の優先順位付け、ブロック、修復を行い、エコシステム・パートナーに自動的に通知することができます。
 

7.運用の効率化


DDIの統合により管理作業が効率化され、管理者の時間と労力が削減されます。 自動化により、トラブルチケットや手作業による介入を最小限に抑え、効率をさらに向上させます。
 

8.拡張性


統合されたソリューションは拡張性が高く、ビジネスニーズに応じて「適切なサイズ」で管理できます。 この機能は、ユーザー数、デバイス数、サービス数が頻繁に変化する、大規模で動的な環境には不可欠です。
 

9.トラブルシューティングの改善


統合されたDDIは、チケットを最小限に抑えることでトラブルシューティングを簡素化し、管理者が統一されたデータ、ログ、診断情報を使用して問題を迅速に特定し、解決できるようにします。
 

10.コンプライアンスと監査


統合ソリューションにより、ポリシーや規制の遵守が容易になり、データアクセスが迅速化され、セキュリティ要件や運用要件を満たすことができます。
 

DDIソリューションの導入効果


弊社のDDIソリューションを導入することにより得られるメリットを定量的に見ていくと、様々なコスト削減を実現することができます。


 
運用コストの削減:798時間
一般的な DNS および DHCP の構成/変更に費やす時間を削減することができます。
 
トラブルシューティング時間の削減:612時間
DNS と DHCP が原因で発生する機能停止のトラブルシューティングに費やす時間を削減することができます。
 
可視化コストの削減:560時間
ネットワークに接続されたデバイスから重要なデータを収集する時間を削減することができます。
 
トレーニングコストの削減:242時間
ネットワーク チームのオンボーディングと継続的なトレーニング時間を削減することができます。
 

 
 

DDIソリューション選定時のベストプラクティス


DDIの統合化に興味を持っていただけましたでしょうか?
最後の章では、統合DDIソリューションをどのように実装すればよいのだろうか。という問いに回答していきたいと思います。
 
1.適切なDDIソリューションの選択
ネットワークの特定の要件と規模に適合するDDIソリューションを選択します。 歴史的な信頼性、ソリューションの幅広さ、統合の容易さ、拡張性、セキュリティ、地理的市場におけるベンダーのサポート体制などを考慮してください。
 
Infobloxは、約25年前にDNS専用の堅牢かつ高速なアプライアンスサーバーを世の中にリリースして以降、事業領域をDHCPやIPAMまで拡張し、DDIというマーケットを創出してきたグローバルリーダーです。そして、今ではフォーチュン100企業の92社や新興のイノベーターを含む13,000社以上のお客様のコアネットワークを継続的に利用いただいています。

 
 参考:Infobloxって何の会社!?

  

2.評価と計画
既存の DDI 構成を含め、徹底的なネットワーク・インフラ評価を実施してください。 統合DDIソリューションに移行するための詳細な移行計画を策定します。
 
 
3.パイロット導入
本格的な導入の前に、管理された環境でソリューションを試験的に導入し、潜在的な問題を特定して対処し、スムーズな移行を可能にします。
 

4.データ移行
既存のデータを個別のDDIシステムから統合DDIプラットフォームに移行し、継続性を維持し、過去のネットワーク情報を保存します。

 
5.構成とテスト
ネットワーク要件に従って、統合DDIソリューションを構成します。 システムを徹底的にテストし、DNS解決、DHCPリース割り当て、IPアドレス管理が期待どおりに機能していることを確認します。

 
6.管理とトラブルシューティング
継続的な管理とトラブルシューティングを容易にするため、包括的なドキュメントを使用して、統合 DDI ソリューションに関する管理者とスタッフのトレーニングを行います。
 

まとめ

DNS、DHCP、IPAMを組み合わせると相乗効果が得られます。

ネットワーク環境は、ハイブリッドおよびマルチクラウドの移行やIoT、ハイブリッドワークなどのトレンドによって急速に進化しています。

DNS、DHCP、IPAMを単一のプラットフォームに統合することにより、管理が簡素され共通のコンソールから管理することに留まらず、自動化や省力化、セキュリティ強化などのメリットを提供することができます。

そのため、DDIが現代のネットワークにとっていかに重要かを考えると、"DDIが本当に必要なのか?"ではなく、"DDIなしでやっていけるのか?"というのが正しい質問ではないでしょうか。

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