見出し画像

米CDCによるコロナワクチン副反応解析の隠蔽疑惑

前回の論考 の最後のところで、 米CDCによるコロナワクチン副反応解析の隠蔽疑惑について少し言及しました。 今回はこの疑惑について詳しく説明してみます。

コロナワクチンと心筋炎との関連性は JAMAの論文 において示されました。 この論文では米VSDのデータを用いて解析しています。 VSDはCDCによるワクチン安全性監視システムです。

この論文では、23種類の有害事象について、接種後1~21日のリスク期間の発生率と 接種後22~42日の比較期間のそれを比較しています。 そして、調べたすべての有害事象において前者の発生率が後者のそれより有意に高くなかったことが示されました。 つまり、心筋炎を含むすべての有害事象においてワクチンとの関連性は示されなかったということです。

心筋炎だけは特別な補足解析が実施されました。 具体的には、年齢を12~39歳に限定し、リスク期間を接種後0~7日に変更して同様の解析が 実施されたのです。 その結果、ワクチンと心筋炎との関連性が示されました。

問題は、論文内で脳梗塞、心筋梗塞などの他の有害事象において同様の補足解析を実施したかどうか について記載がない点です。 実施したのであれば、その結果について記載するべきです。 実施した結果、他の有害事象では有意差がなかったのであれば納得できます。 実施していないのであれば、未実施の理由を記載するべきです。

高齢者に限定し、リスク期間を接種後0~7日として、脳梗塞や心筋梗塞のデータを補足解析すれば、 有意差が認められる可能性があると、私は考えています。 つまり、CDCの隠蔽疑惑というのは、心筋炎以外の有害事象の補足解析の結果を、 CDCは意図的に公表していないのではないかという疑惑なのです。

脳梗塞や心筋梗塞の補足解析で有意差がでた可能性は、日本のデータより示唆されます。 厚労省が公開しているデータ を集計し、 接種から発症までの日数と報告数のグラフを作成しました。 重複例は削除してあります。

 

脳梗塞と心筋梗塞の発症は、ワクチン接種後7日以内に集中しています。 したがって、リスク期間を接種後0~7日に設定すれば、有意差が認められる可能性は十分にあります。 ただし、報告バイアスの問題があるため立証できたとは言えません。 立証のためには、米VSDのような極力バイアスを排除してデータ収集できるシステムが必要です。

CDCの隠蔽疑惑については、 以前に発表した論文 においても指摘しました。 ASA声明 では、「科学的推定のためには実施されたすべての統計解析の結果が公表されるべき」 としています。 何らかの意図を持って選択された解析結果のみが公表されると、 適正な科学的推定とは言えなくなってしまうのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?