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新しいマイナンバーカードの仕様についての提案

2026年度中に政府は 新しいマイナンバーカードを導入 する方針であると報道されています。

新しいICカードでは裏面のマイナンバーの記載を削除することが検討されています。 私はこの案に賛成です。 裏面のマイナンバーの記載を削除すれば、もはやマイナンバーカードではなくなり、 ただのICチップ付きの身分証明カードと言うことになります。 そうなれば紛失した時にマイナンバーが漏出する不安がなくなり、持ち歩くことへの抵抗が減少します。

マイナンバーを提示する時のためには、顔写真付きの紙のマイナンバー通知カードを再発行すればよいと考えます。 この通知カードを身分証明にも使用可能とすれば、新しいICカードを紛失した時は、 この通知カードを用いて再発行が可能となります。

運転免許証をマイナカードに統合することに対しては反対意見が多くありました。 では、今の運転免許証に健康保険証の機能を追加すると提案したらどうでしょうか? 新しいICカードはマイナカードではないので、そのような提案も可能なはずです。 機能の追加であれば、反対意見も少ないはずです。

交付する時は、運転免許試験場、運転免許センターで交付できるようにすれば市町村役所の負担も大幅に減少します。 運転免許証を有している人は運転免許試験場などで新ICカードを交付してもらい、 有していない人は市町村役所で交付してもらうわけです。

ICチップの仕様は異なる可能性があるため、すぐに運転免許試験場での交付は困難だと思いますが、 5年くらいかけて徐々に新カードに更新していけばよいのです。1~2年でやろうとするから無理が生じるのです。 使えるリソースはできるだけ使って負荷を分散させることが大切です。 過大な負荷はヒューマンエラーを増やします。

新ICカードでは高齢者の場合には、 暗証番号をなしにしたカードの発行 も検討されています。 弥縫策などと批判されていますが、私は悪くはない案と思います。 以前の論考 でも提案しましたが、 病院を受診する時には「顔認証なし暗証番号なし」で、 単にICカードを病院窓口にだすだけで受診できることが望ましいと私は考えます。

不正受診防止としては病院事務員が目視確認すれば十分です。 生体認証を使うべきという意見もありますが、 生体認証データを国に提供することに不安を感じる人が多いと思われるため実現することは困難です。 また、高齢者以外でも、希望する人には暗証番号なしの新ICカードを発行するべきです。 保険証と運転免許証のみの機能となってしまいますが、それでよいと考える人にはそうするべきです。

以前にも指摘 しましたが、現在のマイナ保険証のシステムでは不正受診は防止できません。 防止できないどころか 今のマイナ保険証では不正受診を促進してしまいます。 したがって、不正受診防止という観点からは顔認証も暗証番号も必要ありません。 ただし、個人情報の不正閲覧を防止することは必要なので、対策は必要です。

対策としては 以前に提案した台湾方式 を推奨します。 この方式では、病院が患者情報を取得する際には病院用のICカードおよび病院職員用ICカードが必要となり、 閲覧履歴は記録に残り、患者はスマホやPCにより閲覧履歴を確認することができます。 患者がスマホなどで確認するための暗証番号は2段階認証を必須とすればよいです。

従来の保険証は5年くらいは併用が望ましいと考えます。 どれくらいの確率で問題が発生するのか、十分な時間をかけた検証が必要です。 従来の保険証の廃止は検証の後に決めるべきことです。 高齢者に対しては、ICカードの電子証明書の有効期間を10年間に伸ばすか、 5年ごとに郵送するなどの配慮も必要です。

新ICカードには、高齢者にとって使いやすいこと、国民の不安を払拭できること、 不正受診を防止できること、市町村の役所に過大な負荷を与えないことが求められます。 熟慮を重ねて新ICカードの仕様を決めてもらいたいものです。

【新仕様提案のまとめ】

・カード裏面のマイナンバーの記載は削除する。
・顔写真付きの紙の通知カードを再発行する。
・希望する人全員に対して暗証番号なしのカードを交付する。
・不正受診防止は目視確認で行う。
・不正閲覧対策としては台湾方式を採用する。
・カード交付には運転免許試験場などを活用する。

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