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学校では教えてくれないこと

その単語を初めて聞いたのはいつのことだったか。

知らない単語に興味をそそられながらも、自分にはあまり関係がなさそうだし、わざわざ調べるまでもないかと放置していた。普段の生活の中で繰り返し耳にしていれば、そのうち正体が見えてくるだろうと思っていた。

全然見えてこない。たぶん30年くらいよくわからないまま過ごしてきた。そして、ついに重い腰を上げてググってみた。

読んでもわからねえ。こういうのは漢字表記を見れば大体想像がつきそうなものだが、「淋巴」はただの当て字にしか見えない。傷口から染み出す透明な液体と言われてようやく実体と概念が結びついた。

普段よく聞かれたのは「リンパ腺が腫れる」という表現だ。バカは風邪をひかないので僕自身がリンパ腺の腫れを自覚したことがない。だからそれがどこにあるのか知る機会がなかった。

次に「リンパを流す」という表現を美容や健康の文脈でときどき見かけた。施術を受けているのは大抵女性なので、女性特有の身体機能なのかもしれないとさえ思っていた。それで深入りを避けていた面もある。

ていうか、学校でリンパのこと習わなくない?
僕が授業を聞いていなかっただけなのかね。
みんなどこで覚えたんだろう。