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仁義の心

また古い話を持ち出すが、ウィル・スミスさんのビンタを僕は同情的に見ていた。あとからアメリカ人の多くが否定的な反応だったと知って驚いたものだ。授賞式以外の背景を知ればたしかに複雑だとは思うものの、やはり彼を責める気にはなれない。

  🤔この写真は何度見ても面白いなぁ……

重要なのはパートナーの容姿をいじられて怒ったというところだ。日本では夫婦愛を称賛する声が聞かれ、アメリカでは女性を庇護対象と見るのは差別的だとの意見もあったようだ。どちらも一理ある。が、そこはまだ核心ではない。

ジェンダーの話に引っ張られると本質を見失う。仮にいじられたのが奥さんでなく男友達だったとしても僕の中で彼の好感度は上がっただろう。

他人のために怒れる人を悪く思うことができないのだ。

これは日本人の国民性ではないかと思う。忠臣蔵で主君に仕えた47人やドラゴンボールで「クリリンのことかー」と激昂する孫悟空など、仇討ちの物語に強く心が揺さぶられる。

仁義はもともと中国の孔子の思想に基づくものらしいが、日本で広く受け入れられ、大切にされている考え方だ。欧米の個人主義が日本で浸透しないのは仁義の対極にある私利私欲を忌み嫌っている部分があるからだと思う。

この美徳が正義感を暴走させる。

さらにつづく