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逆天職

天職の反対語はないようなので一番向いてない職を表す言葉として勝手に作った。まあ、呼び方は何でもいい。世の中には僕の知らない仕事が数え切れないほどある。それこそ適性のない職業などいくらでもあるだろうが、有力候補として思い浮かんだ職がひとつある。

営業職である。営業トークという言葉が存在するように、人と話すことに長けているイメージがある。口下手にはおそらく務まらない。

たしかに僕は人と話すのが得意ではないが、会話もまた技術の一種だと考えれば訓練で身につけられるはずだ。この陰キャおじさんも昔は明るく元気でおしゃべりな子供だった。営業職が向いていないと思う理由は他のところにある。

売り込むという行為ができない。商品やサービスの魅力をアピールして相手の購入意欲を掻き立てることに抵抗がある。自信がないとか、引っ込み思案だとか、そんな可愛いタマではない。

売り手と買い手は対等の立場にある。売りたいものを売り、買いたいものを買うことが取引の理想であり、売り手が買い手の意思を誘導しようとするのはアンフェアだと感じる。

という綺麗事もやはり建て前で、本当の本音はこうだ。

あなたが得をするためにどうして僕が頑張らなきゃならないの?

僕は雛に餌を与える親鳥ではない。欲しいものは自分で調べて買いなさい。これ、取引先に言ってみたいなぁ。


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