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小学校で整列をするといつも先頭になって居心地が悪かった。背が低いことを気にしていたのではなく、前へならえが後ろの全員と違うのが嫌だった。三月三日の誕生日。珍しい苗字と初見じゃ読めない名前。注目されやすい特徴のすべてを心のどこかで呪っていた。 今はそうした特徴もそれを嫌っていた自分も肯定的に捉えている。ただ、目立ちたくないという気持ちは一貫して変わっていない。空気になりたい。群衆に溶け込みたい。お前の代わりなんていくらでもいると思われていたい。 注目は期待と同義である。人は