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上司と部下、事務と営業。そして会社全体の成果について

職場での役職や職種による業務分担というのは、役割や責任を明確にするために大切なものだと思いますが、「俺のほうが上役で偉いから言うことをきけ」とか「自分は平社員なので関係ない」とか、そういった役職を盾にした傲慢さや無関心という弊害を生みやすいのも事実です。また、「書類不備を起こすのは営業現場が悪いので、事務の私たちは知りません」とか「営業は売上を上げるのが仕事なんだ。ちゃんと書類をチェックするのは事務の仕事だろ」とか、そういった職種を盾にした不毛な責任の押し付け合いも起こりがちです。

役職や部署、職種の異なるスタッフと議論をするとき、自分や相手の役職や職種に留意することはもちろん必要だと思いますが、それよりももっと大切なのは「結果として、何が成果なのか」を考えることです。会社は成果を積み上げて成り立つものですから、成果を出すことが議論の焦点だということを忘れてはいけません。上役の言うことが常に正しいわけではありませんから、役職が上の責任者は、部下の意見が正しければ、受け入れなければ成果を上げ続けられませんし、部下が上司の対応漏れを知りながら、指摘もせずに放置していれば、結果、上げられるはずの成果を失うことになってしまいかねません。事務スタッフが、書類不備の起こりやすい箇所に気がつきやすいようフォローするなどせず、不備自体起こりにくい状況を作ろうともしなければ、成果を上げる足を引っ張ることになりますし、営業スタッフが、不備チェックを事務に丸投げして改善しなければ、バックオフィスの合理化・効率化という成果の邪魔をしていることになります。

もちろん、部下が自分の裁量権を超えて勝手に決めてしまうとか、上司が部下の言いなりになっているのが良いわけではありません。事情のわからない事務スタッフが、気を利かせすぎて勝手に顧客先に連絡して書類不備対応をした結果、失注を招いてはいけませんし、営業スタッフが完璧な書類作成にこだわって、売上をおろそかにしてよいものではありません。ですから大切なのは、「自分の職種や役職で、会社全体としての成果を上げるためにできることは何か」を極限まで突き詰めて考え、実行することです。特にその職種や役職が自分にあっているのであれば、「成果を上げるため、自分の能力を最大限に発揮する」という、ある意味あたりまえのことを行うわけですね。

「自分の責任ではないからやらなくていい」と単純に考えるのは、ある意味「自分の能力の限界はここまでなので、それ以上スキルアップする必要がない」と言っているようなものです。「なぜ会社全体としての成果を1スタッフが気にする必要があるのか?自分は会社のために働いているのではない、自分のために働いているのだ」と言われるかもしれません。しかし、自分の給与が会社全体で上がった成果を原資として支払われる限り、そこから目を背けることはできないのです。

そして、最も大切なのは、誰かから言われてしぶしぶではなく、それを自らの意志で行うことです。やらされてやるのであれば、それは指示に従ったに過ぎません。自分がそうしたいと思わなければ、思うような成果は上がらないでしょう。

結局、「自分がやりたいと思う仕事で成果を上げるために、自分の能力を最大限発揮」すれば良いのです。仕事で成功している人に共通していることだと思いませんか?

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