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【サイト運営者必読】ポストクッキー時代で成功するための Shopiy Audiences

みなさん、Shopify の最新アップデートを見ましたか?合計6種類のアップデートが発表され、Shopifyの「世界No.1 のEコマースになる」という野望はまだまだ消えることはありません。
そこで今回から、最新アップデートのいくつかを数回に分けてご紹介していきます。早めに情報収集して、ライバルと差をつけましょう!

クッキーとは? 

今回紹介する「Shopify Audiences」。この機能を説明する前に、まずGoogle Chrome の「クッキー」について知る必要があります。
みなさんはウェブサイトを訪問したときに、「クッキーを許可しますか?」という表示を目にしたことはありませんか?このクッキー(正式名称: HTTP Cookies) は、主に以下の3つの特徴があります;

  1. 特定のサイトへのログイン詳細を覚えることができる

  2. ターゲティング広告で使用するために、サイト訪問者の閲覧情報をトラッキングできる

  3. ユーザー個人のIDを発行することで、ユニーク訪問者の正確な数を把握することができる

例えばAmazonでスキンケア商品を見ていたら、Facebook、Instagram、Youtube の広告に関連の商品がでてきたり、一度アパレルサイトなどに会員登録したら、次回訪問時に再ログインする必要がなかったりなど。これらは外部のサイトやドメインから発行されているため、「サードパーティクッキー」と呼ばれています。3. に関してはサイトのオーナー側の話ですが、サイトへのユニーク訪問者数を知ることで正確な訪問者数を知ることができ、このようにサイトが直接発行しているものを「ファーストパーティクッキー」と言います。

クッキー許可画面


サードパーティクッキー の廃止 

ファーストパーティクッキーは閲覧しているサイトが直接クッキーを発行するため、第三者にデータが使われることはありません。一方でサードパーティクッキーは第三者が訪問者の閲覧情報や購入履歴を取得し、それをもとに広告を出すので、プライバシー問題の懸念が高まりました。これを受けてGoogle は「2023年の終わりまでにはChrome でのサードパーティクッキーのを廃止します」と発表し、Safari や Firefox などもすでにサードパーティクッキーの廃止を行いました。

■ サードパーティクッキーの廃止は「一得一失」?
データの透明化が改善されたのに対し、ECサイトのように広告などのマーケティングが必要不可欠な業界にとってはとても痛い話です。具体的には過去にウェブサイトに訪れた者に対して、そのサイトの広告を再度表示する「リターゲティング広告」や「コンバージョンの計測」ができなくなります。訪問者にとっては余計な広告なしにネットサーフィンができますが、サイト運営者としては広告キャンペーンが十分に出来ず、自社サイトのコンバージョン率が下がってしまうという問題が発生します。

Shopify Audiences の登場

この問題を解決するために開発されたのが「Shopify Audiences」。広告による自社ECサイトのコンバージョン率を上げるために作られ、まさにサードパーティクッキーが廃止される「ポストクッキー時代」で”成功”するための新機能と言えるでしょう。

Shopify Editions より


Shopify Audiences とは?

では具体的にこの新機能の詳細を見ていきましょう。

■ 機能
Shopifyの公式サイトによると、Shopify Audiences は以下のように定義されています;

Shopify Audiencesは、デジタル広告プラットフォーム (Facebook広告やInstagram広告など) のオーディエンスリストを作成することによって、新しいお客様を見つけるためのツールです。Shopify Audiencesでは、あなたが売り込みたいタイプの商品を購入する可能性の高い、アメリカとカナダ在住の購入者リストが作成されます。オーディエンスリストをFacebook広告アカウントにエクスポートして、そのオーディエンスを対象とするキャンペーンを開始することができます。

Shopify ヘルプセンター

つまり似たような製品を取り扱っている業者間で優良顧客のデータを共有することで、Shopify のアルゴリズムで得たデータ(オーディエンスリスト)をもとにFacebook や Instagram の広告キャンペーンを実施することができるということです。例えば「ミックスナッツ」のような健康食品を扱っている業者がSNSで広告キャンペーンを始めたい場合、他の同業者の優良顧客データを利用することで、似たようなオーディエンスを作成し、同じような特徴を持つ人たちをターゲットにした広告キャンペーンを行うことができます。
ちなみに現在はFacebook と Instagram のみでの広告キャンペーンが実施できますが、今後TikTok などでも実施できるようになるとのことです。

オーディエンスリストの例

■ 仕組み
ではどのようにデータが集められるのでしょうか?イメージとしては、許可をした100以上の同業者からの顧客データが、1つの空間に蓄積される感じです。そしてこのデータは100%透明性があり、匿名化されるのでプライバシーの問題はありません。
またShopify Audiences の使用を許可した業者のみがこの機能を使うことができるため、許可をしていない業者の顧客データが勝手に使用されることはありません。

■ メリット
この機能を使う上での主なメリットをみていきましょう。

  • 価値の高い、ニッチな潜在顧客をターゲティングできる。
    Shopify Audiences のオーディエンスリストは優良顧客をもとに作成されているため、その分LTV(顧客生涯価値)やAOV(平均注文金額)が高い潜在顧客をターゲットにできます。

  • より質の高いデータを使用することができる。
    Facebook もオーディエンスリストを作る機能がありますが、これらのデータはトラッキングを許可したユーザーしか使用できないので(約46%がトラッキングを許可)、母体数が小さくなり、データの質が下がってしまいます。一方でShopify が作成したオーディエンスリストはShopify Audiencesの使用を許可した業者の顧客データがベースになるので、母体数が大きくより質の高いデータを使うことができます。

■ デメリット
明確に「これがデメリット!」とは言い切れませんが、「頭の片隅に置いておくといいかも」ということについてご紹介します。

  • CPM(インプレッション単価)が下がってしまう可能性
    CPMとは「広告が1000回表示されるごとにかかる費用)のことです。よく商品の露出を増やして認知度を上げるために用いられます。表示回数に対してのクリック数が多いと「CPMが下がる」といい、逆にクリック数がすくないと「CPMが上がる」といいます。一般的にCPMが上がる条件として、

  1. ターゲットを絞り込みすぎること

  2. 競合企業が多いため、似たような広告が多いこと

が挙げられます。そもそも優良顧客自体は一番少ない母体数なので、同業者の優良顧客のデータをもとにオーディエンスを作成するということは、必然的にターゲットが限定的になってしまいます。また同業者も同じデータベースをもとにオーディエンスを作成するため、当然似たような広告が多く出回るためクリック数が減少する可能性は十分にあります。

■ Shopify Audiences を取り入れるべきなのか問題
上記で書いたデメリットだけを聞くと、「コストがかかるだけだし、自分にはいいかな…」と思いますよね。しかしここで先にみなさんに言っておくと、戦略的に考えるとShopify Audiences は利用すべきだということ。必ず例外はありますが、全体的にShopify Audiences を利用してるストアとそうでないストアを比べたときに、やはり利用しているほうが高いパフォーマンスを出すことは予測できます。たしかに上記のようなデメリットが起きる可能性は十分にありますが、ポストクッキー時代で思うように販売促進ができないストアが多くなるなか、Shopify Audiences で広告キャンペーンができることは、ストアにとって心強いのではないでしょうか?

最後に

さて、Shopify Audiences について少し知ることができましたでしょうか?ご存知の人もいると思いますが、Shopify Audiences は現在アメリカ・カナダでShopify Plus を利用している業者しか使えません。しかし今後この機能は他のプランでも適用されるとのことなので、日本で使えるようになる日は近いかもしれないので、今のうちから積極的に情報収集をしていきましょう!


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【実績※一部
・ Shopifyサイト構築において経済産業省の「IT導入補助金2021」支援事業者として採択
・MOSバーガーのShopifyサイトの構築、プロジェクトマネージャーを担当 ・大手北欧家具メーカーのShopifyサイトの構築、プロジェクトマネージャーを担当
・スマートウォッチのShopifyサイト構築


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