見出し画像

■アルティメッツ Vol. 1

■The Ultimates Vol.1: Super-Human
■Writer:Mark Millar
■Artist:Bryan Hitch
■翻訳:クリストファー・ハリソン ■監修: idsam
■カラー/ハードカバー/1,999円 ■ASIN:‎ B09T8GLSZQ

 「マーベル グラフィックノベル・コレクション」第4弾は、2000年に創刊された『アルティメット・スパイダーマン』を嚆矢とする、新世代の読者向けのレーベル「アルティメット」の作品群より、ヒーローチーム「アルティメッツ」の活躍を描いた、『アルティメッツ』の第1作をラインナップ。

「国際諜報機関「S.H.I.E.L.D.」の長官であるニック・フューリーは、驚異的な力を持つミュータントが平和を脅かすという世間の不安を払拭するために、政府の命のもと、強力なメタヒューマンの軍隊を創設するという任務を与えられる。アイアンマン、ジャイアントマン、ワスプ、ハルク、キャプテン・アメリカ、そして参加に消極的ではあるが、ソーといったメンバーが採用され、超人チーム「アルティメッツ」がつくられる。しかし、ハルクが大暴れしたことで軍隊創設計画は失敗に終わり、アルティメッツの力が試されることとなる……」(第4号表4あらすじより抜粋)

 収録作品は、2002年創刊の『アルティメッツ』(全13号)の#1-6(3-8/2002)。この後、「マーベル グラフィックノベル・コレクション」第44号として刊行が予定されている『アルティメッツ Vol. 2』収録分の#7-13(9, 11/2002, 4, 7, 8, 11/2003, 4/2004 ※シリーズ後半はおそらくアートの遅れで、刊行ペースがグダグダになり、7冊出すのに1年半かかった)で、『アルティメッツ』第1シリーズの全話がそろう形になる。

 ちなみに、『アルティメッツ』は、過去には2012年に小学館集英社プロダクションより刊行されていて、こちらは全1巻で『ジ・アルティメッツ』#1-13の全話が収録。近年、電子書籍でもリリースされているので、続刊が待ちきれないという方は、素直にこちらを購入するのもいいだろう。

 なお、第1シリーズの完結後、『アルティメッツ』の物語は、2004年末に創刊された『アルティメッツ2』全13号に続いていく。

 ……が、「マーベル グラフィックノベル・コレクション」には続編である『アルティメッツ2』はラインナップされていない。

 一応、小学館集英社プロダクションは、2014年に『アルティメッツ2』の邦訳版も刊行している(やはり、全13号を1冊の単行本に収録)。こちらも電子書籍版が刊行されているので、まあ、本シリーズをきちんと読みたい方は、素直に小学館集英社プロダクション版を買った方がいい(ミもフタもない)。


 ちなみに、『アルティメッツ Vol. 1』の作中でハルクがマンハッタン区のチェルシー・ピアーズを破壊した一件について言及されているが、これは先行して刊行されていた『アルティメット・マーベル・チームアップ』誌の#2-3(5-6/2001)にハルクがゲスト出演した時の話。

 また、本作の主役の一人であるアイアンマン(トニー・スターク)は、『アルティメット・マーベル・チームアップ』#4-5(7-8/2001)で初登場し、その時はクラシックな(1960年代調の)アイアンマン・スーツを着ていたのだが、本作では全く新規デザインのアイアンマン・スーツで登場している。

 上の単行本は、『アルティメット・マーベル・チームアップ』#1-5を収録しており、ハルクとアイアンマンのゲスト回をカバーしているが、まあ、今時中古の在庫もないので、無理に読む必要もない(ミもフタもない)。

 また、アルティメッツが創設される一因となったミュータントがらみのテロ事件は、『アルティメットX-MEN』#6(7/2001)で、マグニートーが、再プログラムしたミュータントハンター・ロボット「センチネル」の軍団を率いて、ワシントンD.C.を襲った一件。

 こちらの単行本には、該当話も含む『アルティメットX-MEN』#1-6を収録。電子書籍版もあるので、今も入手しやすいのがありがたい。

 なお、『アルティメットX-MEN』は、かつては新潮社から日本語版も刊行されていたが、これも今時は入手困難となっているのでリンクは省略。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?