本気で頑張るとは

 思えば文章を書くのはずっと好きだった。

 中学、高校と誰もが面倒くさがっていたクラス日誌の自由記述欄(割とある)に毎回何を書くか考えていたのはそうそういないのではなかろうか?
 ある時は一流の人間について語り、ある時は四ぺージ以上にも渡って時間の流れが速いと感じてしまう理由をシンギュラリティを交えて議論するなど様々なことをした。

 だから、何か物語を書きたいと思うようになったのは必然だったのかもしれない。

 最初に何か物語を書こうと思ったのは高校二年生の夏。部活動に勤しんでいた私であったが不慮の事故によりしばらく休部せざるを得ない状況になった。
 他の部活で幽霊部員である友人のK君と共におしゃれな喫茶店で色々なことを語り合うのが日課になった。

 もともとノベルゲームが好きであった。しかし、文芸やライトノベルに至っては一年に一冊も読まないような人間だった。でも、何か物語を書きたい。
 この部活動に捧げていた熱量を別の何かにぶつけたい。
 そう思って、友人に喫茶店でこう告げた。

「小説書こうと思う」

 物語を書くにはどうすればいいのかをまず勉強し、文章を書くにあたってのマナー(いわゆる…は二回使うや!や?の後はスペース)も勉強し、いざ執筆。
 しかし、当初の私にそのような計画力はなく20,000字程度で挫折。その後、部活動に復帰しその道からは遠ざかることになった。
 ただ、部活動をやってよかったこともある。高校三年生の最後の大会で、遠征することになりそこで寄った大きなデパートの本屋でとある本と出合った。

 それまで本といえば読むのに労力がかかる。何となく敷居が高い。そんな風に思っていたが、その手に取った本は装丁はライトノベルのように恥ずかしくはなく、文芸のように堅苦しいものでもない、その中間のような(後々、キャラ文芸というジャンルであると知る)魅力的なものであった。
 そして、その著者の文体と私の感性が一致したのもよかったのかもしれない。その方の文章は私が言葉にできないようなことを数行で表せるような、そんな素晴らしいものであった。

 それでようやく私は本を読むようになった。

 さて、話が脱線してしまったが、話を元に戻す。

 そして、現在。大学院二年生の私は就活を終え後は修論提出のみという状況だ。
 思えば大学院に進んだ理由すらかすむような日々であった。

 言わずもがな、コロナである。

 研究に打ち込むはずの最初の年は自宅で勉強以外の何かをするに限られた。だから私は、ひたすらに本を読み続けた。
 その影響もあり、就活では今までの動向とは正反対の出版社を受けようと思うようになった。余暇時間に素晴らしい時を提供してくれる出版物を支える会社に入って私も衰退業界と言われている業界の下支えになりたい、そんなことを考えての就活であった。

 結論から言うと惨敗だった。自分の好きなものを仕事にするというのは到底かなわないものだ、と最初から腹を括ってはいたが悲しいものである。
 知っている人は知っているのだが出版社のESでは企画を書く。誰誰にこういう作品を書いてもらいたい、こんな感じでたくさん書いた。その反動もあって、就活が終わった後に私の心にはぼんやりと何か火が灯っていた。

 そしてものの数か月で一作品書き上げた。大体100,000字の中編小説だ。
 その熱は未だとどまることを知らない。最近は特に何を見ても、これはネタに使えそうだ、こんな小説なら面白いんじゃないか——よって今のnoteに至る。

 現在、とある作品を執筆中である。しかし、ペース管理もできていない上、毎日の生活も弛みきっているので思うように進まない。そんな自分を律するためにこのnoteを投稿する。

 やはり継続が大事。どのメソッドにもそのように書いてある。
 毎日2,000字を目指して書いているが、その目標には到底及ばない。
 来年、社会人になったら何かと言い訳を付けて書かなくなりそうである。だから今のうちに文章を書くことを習慣付けようと思う。

 再度繰り返すがこれは宣誓みたいなものであり、自分を律するためのnoteである。

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